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弁護士・戸出健次郎の困ったときの相談と転ばぬ先の杖

農地利用に関するトラブル解決方法


(3)当事者の出頭
仲介委員から仲介期日に出頭を求められた当事者は、原則として、当事者本人自ら出頭しなければなりません。ただ、やむを得ない事情がある場合のみ、代理人による出頭が認められています。
(4)和解の成立とその効力
当事者間に合意が成立した場合、和解が成立します。具体的には、両当事者和解の内容を記載した調書に署名押印して和解成立となります。
当事者間に和解が成立した後は、この和解の効力を覆すことはできません。仮に、和解の後で、その和解内容に反するような明白な証拠が発見されたとしても、これを理由に和解内容を争うことはできなくなりますので、注意が必要です。もっとも、このような強力な効力があるからこそ、紛争の解決になるのです。
(5)和解不成立の場合
当事者間で合意ができず、和解成立の見込みがないと仲介人が判断した場合、仲介人は、和解の仲介を打ち切り、手続きは終了します。当事者は、裁判等他の手段を模索するしかありません。

2 農事調停
(1)農事調停とは
農事調停とは、農地または農業経営に付随する土地建物等農業資産の賃貸その他の利用関係の紛争に関する調停のことです。
農事調停も民事調停の一種なので、大きな流れは内容は、通常の民事調停と同じです。すなわち、裁判官である1名の調停主任と民間人から選任された2名以上の調停委員により構成されます。調停委員は、弁護士等の有識者です。
(2)農事調停の特徴
当事者間の和解を仲介するという点、和解内容を後日争えなくなるという点では、農業委員会による和解の仲介と類似します。
しかし、裁判所が介入する司法手続きであること、したがって、調停による和解内容を記載した調書には、裁判所の判決と全く同じ効力があり、これに基づき強制執行までできるという点で、農業委員会による和解の仲介と大きくことなります。その意味で、農事調停の方がより効力の強い手続きであるといえます。

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