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今年の市場相場を読む

20年で変わった野菜のトレンド シシトウ/シュンギク/ナノハナ/ミニトマト 



シュンギク
6割超の激減で夏場は8割減も、食味重視の商品開発で衰退抑制を

【概況】
東京市場のシュンギクは、過去20年を対比すると、数量で65%もの大幅減、一方で単価は5割高くなった。入荷のピークは従来と変わらないが、年間どの月も大きく落とし、特に夏場は8割前後も減っている。産地は千葉をはじめ、群馬、栃木の近県が上位を占め、入荷は少ないながらも全国30県以上に上る。10年ほど前から急成長したミズナに消費のパイを奪われたことが最大の減少要因だとされる。

【背景】
年間を通じて業務用需要があるため、大きく入荷が減った夏場などはキロ1500円にもなる。全体に入荷が減り、本来は近郊産地が有利な軟弱野菜にもかかわらず、東北・北海道からも入荷しているのはひたすら高単価になるからだ。小売店でも通年で品ぞろえ商材として置いている。今の入荷量は、こうした固定需要を満たす最低限の数量ということになり、高単価を理由に生産が継続している状態だが、それにしても減りすぎの感が否めない。

【今後の対応】
大幅に減少していても、シュンギクは衰退品目というわけではない。鍋のシーズンにはまだまだ一般家庭でも使われ、その独特な食味への支持は変わらない。よくいわれるミズナに地位を奪われたという点でも、安くて価格も安定しているミズナが出てきた結果、鍋食材の選択肢のなかでシュンギクの出番が減ったということに過ぎない。和食でも独特な位置づけにあるが、もっとおいしいシュンギクが必要だ。地位復帰を望みたい。

ナノハナ
千葉産健闘のほかは意外に伸びず、期待されるアブラナ系葉物の周年化

【概況】
東京市場のナノハナの入荷をこの20年で対比すると、数量が2割強の減少で、単価は1割弱高くなった。季節野菜で夏場の入荷はほとんどない。主産地の千葉は49%から63%へシェアを伸ばしているが、2位だった福岡が大きく減らしたことが全体の入荷減の要因になっている感がある。伝統的な千葉産型のナノハナは香川や徳島など一部の産地であり、福岡のおいしい菜などはアスパラ菜、ポエム菜などだ。

【背景】
菜の花系の野菜は中国などでは周年生産されている。その意味で、ナノハナに分類される菜の花系葉物は伸びるだろうという予測があった。しかし、この20年は元祖千葉産の入荷は変わらなかった。とはいうものの、老齢化が叫ばれる産地にあってこの数量維持は伸長しているも同然だ。そんな千葉でも、産地での結束作業を他のJAが肩代わりしたり、伝統的な結束(人形縛り)以外に袋詰めのバラ品の割合を増やすなどの対応がある。

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