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イベントレポート

味の素、発酵副生バイオマスで地域の農業活性化に貢献

佐賀市の環境都市構想と連携

味の素(株) (社長:伊藤雅俊 本社:東京都中央区)は6月9日、「第4回 味の素グループ サステナビリティフォーラム『九州のECOな農業を活性化せよ!バイオマスリンクin 佐賀』」を佐賀県佐賀市のホテルマリターレ創世で開催し、佐賀市との連携によるバイオマス循環の取り組みを報告した。
フォーラムでは、味の素、佐賀市、国土交通省による講演およびパネルディスカッションの後、味の素九州事業所にある世界最大級のアミノ酸工場とアスパラガス農家、佐賀市下水浄化センターの見学ツアーが行なわれた。当日は、佐賀県農政関係者、佐賀市役所職員、農業関連のNPO、イオン九州などの民間事業者、報道関係者など約160名が参加した。
味の素は従来、アミノ酸発酵工場で発生する副産物を有機質肥料として商品化している。この副産物とは、タピオカなどを糖化、発酵させ、製品の原料となるアミノ酸と核酸を取り出した後に残る「発酵副生バイオマス」である。
今回のフォーラムで新たに発表されたのは、佐賀市の下水浄化センターの下水汚泥に味の素九州事業所「発酵副生バイオマス」を添加した付加価値の高い肥料により、地域の農業活性化につなげたという取り組みである。
この取り組みは、佐賀市の「バイオマス産業都市さが」という環境都市の構想の一環でもある。味の素と佐賀市は6月2日、「発酵副生バイオマス」を活用する技術などについて共同研究契約を締結している。

発酵副生バイオマスを
活用した肥料製造の仕組み

下水汚泥に、味の素の「発酵副生バイオマス」を添加することにより、肥料製造時の臭気の低減、肥料のアミノ酸含量の増加による付加価値化、この肥料を使った作物の品質向上(アミノ酸濃度増加など)が確認されている。
佐賀市下水浄化センターでは、排水処理後に残る汚泥を堆肥として活用する取り組みを行なっていたが、肥料製造時のアンモニアガス発生による臭気が課題であった。今回、「発酵副生バイオマス」を添加することにより、アルカリ性が弱まり臭気が低減した。
一方、味の素では、粘度性の高い「発酵副生バイオマス」の肥料化するための乾燥の工程で使用する重油削減を目指していた。味の素九州事業所アグリ事業グループ高橋裕典氏が、ある農家が堆肥の発酵熱を利用しているのを聞き、下水汚泥の発酵熱を利用することを発案した。乾燥する工程を省略して納品できるため、重油由来の二酸化炭素の排出量削減とコスト削減になり、結果的に、最終商品の肥料を安価に提供できるというメリットにつながる。

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