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イベントレポート

農村経営研究会 農村経営視察会 第2回 福島県郡山市 川曲集落 限界集落のビジョンを語り合う


続いて挨拶した降矢氏は、川曲集落について、人口314人、戸数83戸という限界集落で、さらに人口の減少と高齢化が進んでいること、農村とはいえ専業農家は2軒のみで他は兼業農家として町で会社に勤務し生計を立てていることを説明し、この集落を良い方向に向かわせたいと話した。
川曲集落からは降矢夫妻を含め7名が参加した。川曲集落のメンバーからは、「現在の状況を寂しく思う」「雇用が生まれると良い」「農業を継ぐ息子のために足固めをしたい」などの話があった。
視察会メンバーからは、「川曲集落は水がきれいで昼夜の寒暖差もあり、おいしいコメがとれるだろう」「若い世代の労働力を確保することが大切だろう」などの意見が出された。また、昆からは、「供給過多のコメではなくトウモロコシを植え、収穫せずに、そこに豚を放牧し餌としてはどうか」という案が出された。郡山市役所からは、制度上の諸注意として、市民農園の作物の販売は禁じられていること、既存の蚕室などの設備を使う場合は保健所と消防法に準じる必要があること、農地に新たなに設備を建設することは、農地法、農業振興地域制度、農業振興地域の整備に関する法律、都市計画法の3つの法律により制約があることが挙げられた。
農村経営研究会のアドバイザーとして参加した、カルビー(株)相談役でNPO法人「日本で最も美しい村」連合副会長の松尾雅彦氏より、「ビジョン」を創ることの重要性と、風評被害に遭っている福島県全体を含めた農業の展望について次のような提案があった。
(1)30年後のビジョンを描く
若い世代とともに、30年後のビジョンを描くことが大切である。30年後の夢、つまりゴールを描き、何をしたらそのゴールに行けるのかを考える。そのためには、良い例である欧州の農村を見ることが必要である。欧州の農業は米国に押されて40年前に一度は破綻した。EUとしての現在の欧州を視察することを勧める。欧州は現在、農業、酪農、林業が協力し、エネルギーの分野で自立しようと試みている。
(2)福島県の難問を逆手にとった農業
現在の農業は、TPP、減反廃止、農村の人口減少という難問を抱えている。福島県の場合はさらに風評被害が加わる。これを逆手にとることを勧める。
農村が個人プレーをしているうちは、問題は解決しない。良いコメを作っても、他の人から売上を奪うだけである。これは、需要量と供給量によって価格が決まる米国の市場経済のしくみを取り入れているためだ。

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