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吉村明のみつひかり栽培日誌

十分に登熟させ、早刈りには注意!!

  • 三井化学アグロ(株) 営業本部マーケティング部ハイブリッドライス 種子グループ グループリーダー 吉村明
  • 第8回 2014年08月26日

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今年も異常気象? 7月中旬で一番遅い田植えが終わりました。新たな取り組みが始まった南東北と山梨は、秋の早い地域です。登熟期間の長いみつひかりですが、田植え時期や施肥量を考慮することで登熟できるかを見極めたいと思っています。
梅雨明け以来猛暑が続き、水不足が懸念される産地がある一方、記録的な大雨となっている地域もあり、異常気象が当たり前になってきました。みつひかりは環境適応性が高い稲ですが、渇水で葉が巻いてしまった圃場もありました(図1)。「必要な時期以外、水は不要」といっても最低限の水は必要です。

以前から肥料卸が取り組みを進めている産地を巡回したところ、「生育後半まで水がある圃場」で「遅くまで効く肥料を使用」という10年以上前の栽培指針のままで、目標は「必ず倒伏するので倒さず安定的に10俵獲る」とのこと。「元肥重視」「強めの中干し」「登熟を進めるため余分な水・養分を切る」といった現在のみつひかり栽培の基本を説明し、今年は栽培法を改善していただきました。「これなら倒れなさそう」との生産者の声も(図2)。果たして結果はどのようになるのでしょうか?

「みつひかり物語」(8)

「吉野家」が使用しているコメとして認知されてきたみつひかりは、立ち上げから10年経ってようやく形が見えてきたところです。
栽培が大きく広がってきた要因は、各産地で中心となる生産者・集荷業者が近隣の生産者にみつひかりの特徴を、生産現場目線で紹介・説明し、仲間に引き入れてくださったことでしょう。こうした口コミでの広がりと栽培技術の向上が相まって、現在のみつひかりがあります。

また、消費先が見えるように実需者(外食企業や米卸)が産地を巡回し、会合に出向いています。その一例に、中日本で毎年開催している「みつひかり生産者大会」があります。第4回目となる今年は福井県あわら市に、総勢約40名が集まりました。会場を提供した「夢屋・華筑紫」では、みつひかり2005を3年前から使用しています。女将・清水さんから「お客様から大変好評です」との話がありました。一方、実需者からは「国内の主食米は過去最大の在庫があり、販売環境は大変厳しいが、実需者と結び付きがあり、確実に消費されるみつひかりはまだまだ必要」との話がありました。

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