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【吉村明のみつひかり栽培日誌】
十分に登熟させ、早刈りには注意!!
- 三井化学アグロ(株) 営業本部マーケティング部ハイブリッドライス 種子グループ グループリーダー 吉村明
- 第8回 2014年08月26日
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参加者のさらなる生産意欲向上に役立ったのではないでしょうか。
【訂正:先月号の表1:産品種銘柄の指定状況において、2010年産新規設定に「三重・愛媛・大分」の3県が抜けていました。お詫びして訂正いたします】
栽培のポイント(8)
いよいよ出穂を迎えるみつひかり。ここまでは草姿は一般品種と異なりますが、草丈も周囲の稲とそれほど変わりません。ところが、出穂期から急激に草丈が高くなり、圃場の様子が一変します。穂の下の第1・2節が物凄く伸びるからです。稈長1mに30cmの穂がつきますが、これを支えるだけの根圏・下位節を準備できていれば倒伏の心配はありません。出穂の早い混じりの穂は、F1品種の特徴とご理解ください。
よく「みつひかりの積算温度は何度?」との質問をいただきますが、条件により大きく異なるため、1200~1300℃と曖昧な回答をしています。みつひかりは、「温度・養分・水」があれば登熟が遅くなる稲です。出穂以降の「実肥」は禁物。追肥するなら出穂前までに済ませてください。
さて、最後の栽培のポイントは「十分に登熟させる」ことです。水管理は「天水で十分」と特に気にしていません。ただし、水分がないと米粒が大きくならないのも事実です。雨が2週間以上降らず、圃場が相当乾燥しているようならサラッと水を流せればベストです。水がなくても品質低下はほとんど見られず、「刈り遅れ」は気にする必要がありません。
早刈りすると青米が入り、籾摺りがしづらくなります。みつひかりは父親に少しインディカ米の血が入っており、玄米がやや細長い形をしています。いいお米を篩下に落とさないように細かい篩目(1.75mmなど)を使用してください(図3)。
青米が10%以上残る状態から完熟まで約2週間で、収量が2俵増えて品質も向上した、という事例があります。慌てず、ゆっくりと刈り取りできるのがみつひかりの良いところです(図4)。
※ 次の最終回は11月号になります。
イネウンカ類防除のポイント
●イネウンカ類の特徴
育苗箱処理剤の普及で一時期なりを潜めていたイネウンカ類。再び、イネ最大の害虫として注目されています。日本で被害をもたらすのは、トビイロウンカ、セジロウンカ、ヒメトビウンカの3種類。セジロウンカとトビイロウンカは国内で越冬できず南国からやってきます。ベトナム北部で越冬し、季節風に乗って中国南部へ移動して増殖、6月下旬の稲刈りで飛び立ちます。この時期に日本付近にかかる梅雨前線に沿って発達する下層ジェット気流に乗って、日本に飛来します。
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吉村明 ヨシムラアキラ
三井化学アグロ(株)
営業本部マーケティング部ハイブリッドライス 種子グループ グループリーダー
1962年生まれ。1988年 北海道大学大学院農学研究科修了。同年 三井東圧化学(株)(現三井化学)入社、農業資材開発に従事(北海道工業所勤務)。1996年 本社異動後、ハイブリッドライス事業開発を担当になる。2000年に事業ごと三井東圧農薬⑭(現三井化学アグロ)に異動し、現在に至る。17年間「みつひかり」をライフワークに、全国を飛び回る。
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