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この松尾氏の言葉を受け、夫妻は放牧養豚を軸に村の再生への道を歩み出している。
敏朗は現在、放牧養豚の餌の一つに、本誌が推進している飼料用子実トウモロコシを投入しようと考えている。トウモロコシの収穫機と放射線量を懸念していたが、研究会への参加を通じて、まず収穫機が不要だということに気づいた。草の根まで食べてしまう豚なら収穫せずに圃場に豚を放し、そのままトウモロコシを食べさせられる。また、本誌の調べでは、放射線量が400Bq以上ある土壌で栽培したトウモロコシが子実では2.8Bq以下、茎葉でも10.6Bq以下であることがわかっている。これらの情報を得た敏朗は、早くも来年からトウモロコシを生産しようと考えている。さらに発想を広げる敏朗は、国産の汎用コンバインが入れる圃場のない川曲集落を飛び出し、平場でそれを行なって放牧しようと思うに至った。
「放牧養豚の方法をパッケージ化して広めたい」
そう言って敏朗は将来を見据える。セツ子もまた次のように語った。
「うちも30年やってきたけど、これからどんな意味を持ってやるのか考えると、村のみんなが退職してから動けなくなるまでの職場づくりをしなくちゃいけないと思うわけよ」
村の再生のため、敏朗と共にセツ子も飛んでいる。 (文中敬称略)
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