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特集

加工メーカーと組む正しい「六次産業化」 健康素材の開発法


昆 機能性の表示には薬事法や景品表示法などいろいろな規制もありますよね。そこにはハードルがあるでしょう。
西沢 AMIでは、加工した成分や食品ではなく、一次産品についての研究を行なうのが、原則になっています。医薬品の目的を有すると誤解される恐れのない、誰が見ても明らかな食品を“明らか食品”と呼んでいますが、明らか食品である一次産品について医師が臨床試験をして評価を行い、発表しようということです。
そのように価値が認められたものなら、農業などの生産者は加工メーカーに高く買ってもらえる可能性があるでしょう。

昆 低タンパク米を生産している農家から、腎臓病患者向けに販売するために低タンパクである旨の表示が許されるようにしてほしいという声が上がっていました。それで、以前、内閣府規制改革・民間開放推進会議の委員を務めていたときに、そのことを諮ったところ、農産物は栄養成分表示の対象外であると却下されたことがあります。
小川 今、新食品表示法の準備が進められています。今パブリックコメントに供されている案では、食品の機能性表示を認める、それもメーカー責任でやるようにする、という形になっています。農産物での表示も認められるようになっています。
昆 なぜ新食品表示法が作られるのでしょうか。
小川 医療費が増大する中でセルフメディケーションの推進が必要であり、医師らの健康食品への理解が増してきたことがある。もう一つは政府の経済成長戦略という要請の中で、日本の“安心・安全”というブランドを活かした輸出産業の振興を考えて規制改革会議で提案されたものです。
機能性表示についてはアメリカが先行しています。アメリカの産業界がアメリカ政府に対して、機能性表示を認めないのはおかしいと何度も行政訴訟を起こして、その結果彼らが勝ち取ったものなのです。アメリカではその後、機能性食品の市場が数倍に拡大した実績があり、我々日本のメーカーにとっても期待の大きなものです。ただ、企業の責任でやりなさいと言いながらいろいろな規制は残るようです。また、必要とされるヒト試験には最低でも2000万円といった費用がかかりますが、それだけの大きなコストがかかりながら思わしい結果が出るとは限らない。メーカーにとっては痛しかゆしという面があります。

昆 すると、まずこれはよい結果が出そうだというものを見つけなければいけませんね。それには、昔から農村に伝わる食習慣、これを食べると体にいいといった伝承なども参考になるでしょうね。

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