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特集

加工メーカーと組む正しい「六次産業化」 健康素材の開発法


小川 なるほど。この記事には、大麦を使用した商品も載っていますが、これは法的にOKなわけですね。
西沢 複数の商品をなるべく多く紹介しています。大麦という農産物にフォーカスし、良さを伝えた上で、ではどんなものが手に入るかを紹介するのは、エビデンスに基づく実用情報を伝えるを使命とするメディアの記事として当然のスタイルではないでしょうか。もちろん、記事の結論がある一つの商品に誘導することになっていれば「バイブル商法」として摘発されることもあるのではないかと思いますが、公器としてのメディアでそうした報道はあってはなりません。
昆 それで、大麦は食べ物そのものですが、伝統的な知恵と、現代の研究、現代の農業生産技術、これらが組み合わさって知恵を出し合えば、未利用資源の活用の可能性ということも出て来ると思いますが、そのあたりの情報はありませんか。
西沢 例えば青森県ではアサヒビールと弘前大学や果樹研究所などが、リンゴの皮に多いポリフェノールについて、エビデンス取得に取り組んでいます。和歌山県では温州ミカンの皮に含まれるヘスペリジンやノビレチンといったポリフェノールの研究が行われていますね。
それから、落花生の茶色い皮、あれにもポリフェノールの一つであるレスベラトロールがすごく豊富だというので注目されています。韓国では、そこから発想して、ピーナッツのスプラウトを開発して輸出商品にしようとしています。

昆 「農業経営者」の読者でヒマワリのスプラウトを作った人がいます。これも機能性が高いらしいのですが、ものすごく棚もちが悪いのが欠点だそうです。ということは、いったんモヤシにしておいて、そこから機能性成分を取り出してタブレットやカプセルにするといったことはできそうですね。生鮮では流通に限界があっても、加工メーカーと組めば、棚もちがよくて物流コストも低い流通しやすい商品にできる可能性が出て来ますね。そういう物の流れができれば、安定して買ってもらえることにもつながるはずです。
西沢 先ほどのJA氷見市は、ハトムギをある程度高値でも買うと聞いています。フグと言えば荷は下関に集まりますが、JA氷見市は全国からハトムギが集まる“ハトムギの下関”を目指すのだそうです。
それから、高知県では高知大学が中心となって土佐フードビジネスクリエーター(FBC)人材創出事業というのをやっています。これがとても充実したカリキュラムを持ってて、一次産品の加工、マーケティング、機能などについて200時間を超える講座を用意し、同県の食品産業の中核を担う人材を育てようとしている。また、最終商品が出来上がったら、その臨床試験を高知大学で行う体制も出来上がりつつあるようです。

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