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西沢 世界のワイン生産者は「俺たちは農家だ」って言いますよね。彼らはブドウを栽培して、まさに自分で最終製品まで加工するわけです。そういう意味ではいちばん完成された農業者ですよね。
昆 その最終製品にすることは加工メーカーに力を発揮してもらうとしても、ならばなおさらきちんとした原料を供給できなければいけない。
西沢 今は食や農業に関心を持っている企業も多いですから、そういうところと組めるといいですね。例えば、ロート製薬は石垣に農場を持ってますが、マーケティングとして面白いのは、「PALETAS」というフローズンフルーツバーの店を展開しているところです。
昆 あれはビジュアルでウケてるんですよね。そういう打ち出し方、もっと自由な商品開発というのは、農村で考えるよりも、消費地で考えたほうがうまくいく。
西沢 こうした企業に、どう投資対象として評価してもらえるか、ということも農業に関わる方たちが考えるべきテーマではないでしょうか。
昆 健康食品というと、今まではどうも高齢者向きのイメージがありましたが、実は若い人も関心を持っている。それで、最終の商品の形も、従来のように薬のような外見をしたものとは限らず、「PALETAS」のようにアイスキャンデーのようなことも考えられるわけですね。
青汁なども、最初に売り出したキューサイは「まずい!」を売りにしていましたが、「うまい!」を売りにする企業も出てきて市場が広がりました。
西沢 青汁と言えば、緑色の濃い野菜にはビタミンKが多いんですね。これは骨代謝に非常に重要なビタミンなのに、そのことがあまり知られていない。興味深い研究があります。全国の骨折率を調べたものなんですが、この結果を見ると関西の方が骨折率が高いんです。この理由の一つが、関西では納豆をあまり食べないから、というのも明らかになっているんです。ビタミンKを摂るには納豆が一番効果的なんですが、そうでなければ濃い緑の野菜をしっかり食べるしかない。そこで青汁に可能性があるとなるわけです。
昆 売れているものがどういう効果を持っているのか。その効果であれば、別なものもできないか。考える必要がありますね。マーケット側の視点を持たないといけない。それには、やはり道案内役が必要だと思いますね。
小川 野菜について言うと、今はほぼすべての野菜が粉末化されて原料メーカーから手に入ります。それには海外産の材料のものも多いんですが、そこで国産の野菜末とかを使おうとすると、産地を問わないという場合の3倍近い価格になります。しかし、我々としてはそれで全く問題ありません。最初からそのようなコストの中で設計してマーケティングを行いますから。
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