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特集

加工メーカーと組む正しい「六次産業化」 健康素材の開発法


case.01
シイタケを原料とした
シイタケドリンクを開発
三宝産業(株) (岡山県岡山市

岡山県の農産物といえば、白桃、マスカット、ピオーネなど、果実が充実している印象があるが、マツタケ、乾シイタケなどの林産物も出荷量がそれぞれ全国7位、13位(平成22年)と少なくない。岡山県でLPガスの販売を手がける浅野産業は、食品事業部でキノコを生産。シイタケ、キクラゲを栽培し、新鮮な生シイタケを西日本に出荷したり、乾燥キクラゲ、天日干しのシイタケなどを販売するなどしている。同社がモットーにしているのは、高品質と安全で、厳選した木材チップをブロック状に成型して、キノコ菌を育成。クリーンルームで清潔に取り扱いながら、2~3ヶ月間熟成させて育てている。

【シイタケの成分
エリタデニンを
高効率で抽出】

その浅野産業のグループ企業で、加工食品、健康食品を販売するのが三宝産業だ。生活習慣病が気になる中高年層や健康志向の消費者をターゲットに、ドリンク、粉末、錠剤、カプセルなど、さまざまな形状の商品を開発・販売する。
同社の強みは、シイタケの成分エリタデニンを高効率で抽出する技術を持っていること。エリタデニンは血液中のコレステロールを低下させて、それによって血管内の障害を防止。さらに血流をなめらかにして、動脈硬化や高血圧予防効果があると言われる成分である。

【シイタケの芽を原料に】

そこで開発された健康食品のひとつが「芽力」で、通常であれば栽培過程で廃棄されてしまう、シイタケに成長する前の新鮮な芽がその原料。その芽からエリタデニンを抽出し、「芽力」一本から5mgのエリタデニンを摂取することができる。
実はこのエリタデニンはシイタケ特有の成分であるため、これを含んだ健康食品は市場にあまり出回っていない。商品化すれば他の健康商品と差別化を図れるため、人気を独占できる期待も強い。「芽を摘む」という言葉は、若い才能を潰すという意味で用いられることが多いが、三宝産業の場合、歩留まりを高くする希望の技術であるに違いない。

case.02
徳島県産すだちの果皮を
活用した鶏肉加工食品
(株)イシイフーズ (徳島県名西郡石井町)

徳島県では全国の生産量のシェア9割強を誇り、県花にも指定されている名産品すだち。カルシウム・カリウム・ビタミンAの含有量はレモンの2倍以上で、ビタミンC、クエン酸も多く含まれている、栄養価の高い柑橘類だ。近年、焼き魚に絞るだけでなく、ジュース、サワー、酢など、加工品も流通するようになった。しかし生産の際、その果皮は搾汁残渣として廃棄されてしまう。その果皮を地元加工業者から入手し有効利用しているのが、鶏肉の開発研究、生産販売を行う徳島県のイシイフーズである。

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