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特集

ゼロから始めた面白さ 新規就農者たちの見る農業


金森 そして今は筋金入りの野菜農家ですよね。
岡田 最初はお金がないから畜産でアルバイトしてたんだけど、小さい頃にミニトマトやカブを作っていたせいか、どうしても野菜がいい。ハウスを建ててもそれはあくまでつなぎで、やっぱり露地が。風が吹かない中で作業するのが気持ち悪くて……。
住田 カッコいいこと言うねえ。
山木 そうしてドヤ顔にならなければもっとカッコいい(笑)。

【「やらなければ」でなく
「やりたい仕事」だからいい】

―就農するとき、家族の反対にはあいませんでしたか?
住田 私は、子供が一人いて妻が次の子を妊娠してる段階で会社を辞めたんです。でもそれまで朝6時に出勤して夜12時に帰る生活を10年以上続けてたから、妻は「まあいいんじゃない?」という感じでした。
岡田 僕は大学生の頃から農業をやりたいと言っていたので、反対はされませんでした。ただ、嫁さんは現実的な人だから、農業やる絶対条件として「ある程度稼げなかったら転職してね」とずっと言っています。
―就農の前後でギャップを感じたことは?
山木 思ったより作れないし、戸惑うことだらけでしたよ。研修中にやめる人や、就農してやめた人も結構多いですし。
―皆さんとやめた人の違いってなんでしょう?
山木 あきらめなかっただけじゃないですか? 農業って3年もやれば技術的には誰でもできるものだと思うんですよ。そのとき、やる気が尽きていないかどうか。
―就農してうれしかったことは?
住田 月並みですけど、たとえば直売所に納品しに行ったとき、お客さんから「あなたの作ったニンジンだけ、離乳食にすると赤ちゃんが食べる」と言われるとか。そういう喜びって、会社員時代は全然なかった。それと自由なところかな。
山木 「やらなければいけない仕事」じゃなくて、日々「やりたい仕事」と思えるのはいいですね。あと、これは後付けですけど、子供との時間が取れるのはうれしい。
住田 それはある。会社員の頃は子供と会えるのが土日だけだったのが、今はいつも一緒にいますし。
―現在の出荷先はどこですか?
山木 仲間とやっていた野菜の宅配ボックス(野菜詰め合わせ)を今年から一手に引き受けて、今はそこがメインです。それと就農時からのお付き合いのデコポンや、都内の大手スーパーの直売所に箱ごと振り分けてくれる(株)農業総合研究所(和歌山市、及川智正社長)に出荷しています。僕の経営規模だと、月2回野菜セットを買ってくれる家が200軒あれば成り立ちます。行く行くは直売を増やしていく計画です。

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