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特集

ゼロから始めた面白さ 新規就農者たちの見る農業


金森 僕は所属してる三里塚ワンパック野菜に、宅配セットや飲食店向けの野菜を卸しています。あとは総菜店や友達に少々売ったり。
住田 僕は売り先がいっぱいあって、核になってるのは、個人宅配。あとは知人のつてをたどってあれこれ営業しに行っています。県内のスーパーに直接卸したり、飲食店に売ったり、成田山参道のレストランの軒先に無人販売所を置かせてもらったりしています。小さい土地なので、直売で高く売る方向です。
岡田 ウチは直売は1割ぐらい。生協や「らでぃっしゅぼーや」に出荷する生産団体の大栄みみずの会に所属していて、卸が主体です。住田さんの野菜は僕のと比べて単価が倍なんですよ。こっちの方が品質いいのに(笑)。でも、単価が高くても数が出ないと僕はワクワクしないから、農家ごとの好き嫌いがあるんですね。
―経済的に軌道に乗ったのはいつごろなんですか?
山木 専業になったのは4年目。それまでは夜に塾講師のアルバイトしていましたから。でもいい勉強になりました。何も準備していなくても人前で話せるようになったので。
金森 僕は今も軌道に乗ってるとはいいがたいかも。
住田 僕もまだです。1年半で少しずつ売り先を作ることができてきたとは思いますけど。

【新規就農者の優遇は
引き際の判断を遅らせる】

―山木さんと岡田さんは10年選手です。その10年前と比べて、今は新規就農する状況って変わりました?
山木 全然違いますよ! 10年前、新規就農するのは“変人扱い”でしたから。
岡田 「新規就農」という言葉もそんなに流通してなかったし、研修施設も情報も少なかった。今だと僕らのような農家を見て、新規就農したらどうなるか、大体の道筋がわかるじゃないですか。でも僕らは農家のおじさんを見て、想像するしかなかった世代。就農したときなんて、捨てられてびしょびしょに濡れた子猫みたいでしたよ。「何もないんです。何でもいいからください!」とアピールしていたら、農家のおじさんは「よくここまで来たな! 助けてあげよう」と手を差し伸べてくれたし、また僕らも意識してそういう空気を作ってました(笑)。実際、人を紹介してくれたり、空いてた家や畑を貸しくれたりしましたから。
そこから3年しないうちに1ha、5年目で2haになった。今のほうが条件的にはいいけれど、あの頃、見えない中でも手探りでいく面白さはありました。

山木 あと大きな違いとしては、新規就農者に助成金が出るようになったこと。

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