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特集

ゼロから始めた面白さ 新規就農者たちの見る農業


岡田 そう。僕らはもらってません!
金森 青年就農給付金でしたっけ。僕ももらってない。地域が違うともらえないと説明を受けました。
住田 研修の2年間、新規就農して5年間、年間150万円がもらえて、所得が250万円超えた時点で打ち切りという制度。僕はもらっています。
岡田 でもサラリーマン時代の貯金があるんでしょ? それを崩したらいいじゃない。
住田 そのつもりで就農したんですよ。でも研修2年目に支援制度が始まって、「これはラッキー。もらえるものはいただこう」と。必要な機材が買えたし、ハウス建てられましたし。ただ選んだ職業が農業という事だけで助成金がもらえるのってどうかなとは思いますけど。だってそんな職業、他にないでしょ?
岡田 何にでも使えるからね。トラクター買ってもいいし、パチンコに使ってもいいし。
山木 ちゃんと使えば、早く経営を軌道に乗せることはできるね。
―もらえた方がよかったですか?
岡田 それはもちろん。でも、もらわずに生き残ってきた自負はありますよ。
金森 もらっていたらダメになってたんじゃないですか。
住田 いや、ダメになる人は、もらってももらってなくてもダメになると思う。
岡田 それは本当にそう。そこにすがってる人は、もらえなくなった途端続かなくなる。
金森 その引き際の判断を遅らせるから、この制度はよくないのでは? という話をよくするんです。
山木 延命措置みたいな……。まあ飲み会でこの話になると、僕はそっと席を立ちます。もらえなかったことが悔しくて(笑)。

【新規でも承継でも
やる気がなければつぶれる】

―農家出身の跡継ぎの人たちに対してハンディは感じますか?
山木 機械、畑、労働力、家―インフラは大きなハンディですよ。
岡田 こっちは何もないですから。逆に、そこを獲得していく楽しみはあるけど。
金森 僕たち「ドラクエ」(ゲーム)みたいですよね。スライム(ゲームに登場する怪物)を倒して、経験値を稼いでいくような(笑)。
岡田 跡継ぎと話してると「岡田さんみたいに頑張れるのはいいよね」と言われる。「いや、おまえも頑張れよ!」って(笑)。だから、農家の子の場合はインフラは整っていても、持ってるモチベーションに欠ける部分はあるのかもしれない。
―「跡継ぎには負けないぞ」という気持ちはありますか?
住田 僕は、誰かが跡継ぎだからといって特別な感情は持たないです。彼らはインフラなどいろいろ有利な部分はあると思いますが、僕ら新規就農者にも有利な部分はあります。僕は20年間営業職をやってきて、その間に1万人以上の人と商談してきたから、相手が何を考えてるか短い時間で察知する能力が身についた。それって農業に関係ないようでも、実はすごく関係あったりするんです。新規就農が成功するポイントは販売先の確保だと思いますから。そういう農業以外の経験を持っているのは、跡継ぎに負けない部分じゃないですか。

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