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特集

ゼロから始めた面白さ 新規就農者たちの見る農業


金森 僕も対抗心はないです。まじめにやっている跡継ぎは、自分よりもすごいから。機械とか貸してもらって、末永く一緒にやりたい(笑)。ぬるい二代目が周りにいないせいもあるのかな。
山木 僕の知ってる跡継ぎは農業の話をまったくしませんよ。フーゾク、パチンコ、スマホのゲームの話ばかり(笑)。正直なところ、その感覚でやっていけるのか、疑わしい人が多い。たとえ規模が大きくても子供に伝わっていくのか、これから見ものです。モチベーションだけは負ける気がしない。
岡田 「農家は三代でつぶれる」って聞くんですよ。今はモチベーションが低い人に継がせて維持できるような産業じゃないですから。僕はその中で生き残りたいと思うので、ただ継いでるだけの跡継ぎには負けることはないと思いますよ。
住田 ただし、農家の息子でモチベーションも高かったら、強い。
岡田 それは絶対勝てない。
金森 最強ですよ。でも普通の会社だって、後継者を育てるのが一番難しいんじゃないですか。
岡田 企業ではよそから後継者を見つけた会社の方が新しいことに挑戦できる。農家もそういうところが増えていってほしい。僕も継がせることになったら、息子よりもやる気のある他人に継がせたいですよ。もし息子にやりたいと言われたら、身を引きますが。
住田 山木さんは、子供がやりたいって言ったらどうします?
山木 全部譲ってインドに行っちゃう(笑)。でも確かに、上手に後継者を育ててるところって、親父さんが若くして引いていると思う。
岡田 でも、お父さんが元気だと、息子は一労働者扱いでなかなか先にいけないでしょう。
山木 親父さんがだらしないと自分でやるんだろうけど。最近仲良くなった跡継ぎがいて、そこはお父さんがすごい稼いでいるんです。だから「俺は失敗をさせてもらえない。失敗できる君たちがうらやましい」と嘆いていました。ああ、そういう悩みもあるんだなと。

【抱く夢のカギは
消費者とのつながり方にある】

―今後の目標を教えてください。
山木 「面白い農家になる」が自分に課したミッションなんです。面白いことを発信していれば人が集まって、食いっぱぐれないと思っているから。今は年に1~2回ぐらい「あいつのところに遊びに行こうかな」と思ってもらえるような家を作りたい。周りに2haぐらいの畑があるのが理想で、同世代でバリバリ働いてる人にいい仕事してもらって、その人たちが作った野菜を食べたい。
住田 僕は当面はこの形でどれだけ売上げを上げられるかを試したい。目標は1000万円です。でも、ものを作って売るだけじゃなく、人を呼ぶようなこともしたい。千葉で民宿をやるのが夢だったし、観光農園なども可能性があると思う。

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