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特集

ゼロから始めた面白さ 新規就農者たちの見る農業


金森 僕が模索しているのは、例えば、特別秀でた能力がなくて一国一城の主タイプでもないけれど、雇われて能力を発揮するタイプもいる。そういう人を集めて、足りない部分を補いながら一緒にやっていけたら、雇われて畑をやりつつ、自分の得意分野もできるような半農半Xが実現できるんじゃないかと。
岡田 僕は10年目あたりから生活できる基盤がある程度出来て、現状維持でいければと思ってたんです。
でも、震災後に放射能問題が起きて、売上げが3分の2ぐらいに減ったことで、いろんなところに目が行くようになった。それまでネットワークもないし、仲間の集まりにも参加しなかったのが、人の話を聞くようになって、営業にも行くようになった。結果的に売上げが上がることが一番のモチベーションになっています。その過程でいろいろなチャレンジをすることで、今見えない世界が見えるんじゃないかと思う。それで、自分がやりたい農業を掘り下げ、強い農家になっていきたい。

【会社でうまく行かなかったら
農業でもうまく行かない】

―新規就農を考えている人へのアドバイスは?
山木 住田さんと知り合って思ったのは、営業力があると強いということ。当たり前ですけど、作ってるだけじゃお金になりませんから。今、新農業人フェアのブースに座る機会があって、相談しに来た人には、「もし時間が許すなら、営業職をやってから就農するのもいいんじゃないか」と話しています。
住田 僕が研修生に必ず言うのは、「誰にでも笑顔で挨拶しろ」。就農した土地で、知らない人が通っても黙ってる人が多くありませんか? 「だって知らないですもん、あの人」じゃ通用しない。
岡田 僕は、たとえば30歳で就農したら、そこまでの経験でしか物事はできないと思うんです。それまで挨拶できなかったヤツは挨拶できないし、残業できなかったヤツは残業できない。農業をやるからといって、新しい能力が湧き出てくるようなことはない。会社でうまくいかなくて、農業ではうまくいくと思ったら大間違い。農業で成功する人は、農業じゃなくても成功する人だと。
金森 人間関係で悩んだ人は人間関係で、体力がない人は体力で壁にぶつかるでしょう。営農を継続していくために必要な能力は他の仕事と何ら変わらないと思いますよ。農業は3Kと言われてるけど、会社員だって3Kの場合ありますし。
―逆に皆さん、サラリーマンもできるんじゃないですか。
岡田 僕はムリですよ! 人から指示されて、自由がなかったり、理不尽なことに対して頭を下げられないタイプなので。

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