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紀平真理子のオランダ通信

イシグログループ主催のオランダ施設園芸視察研修

本誌でたびたび取り上げている明治42年創業のイシグログループは、温室・施設園芸を核に、農業生産資材や栽培システムの提案・販売を行ない、農業者を多方面から総合的に支えている。今回は、オランダに事務所を設立したイシグロ農材(株)の石黒康平氏へのインタビューと、イシグログループ主催のオランダ施設園芸視察研修への参加を通して見えてきたオランダ農業について触れる。

08年にオランダ事務所を開設

2008年、石黒氏はオランダ国内にある温室の約30%が集積するWestland市に事務所を構えた。そのオランダ事務所では、近年の日本でも注目されているオランダの施設園芸における先端技術や農業生産資材の情報収集、農業関連企業との関係強化を目的にし、グループとして農業生産資材などの日本への輸入・販売をサポートしている。さらに、年に一度、オランダ施設園芸視察研修を主催し、日本からの農業関係者と共に施設園芸関連会社や農業者を訪問することで、最先端の情報とオランダ農業の現状を参加者に伝えている。また、グループ会社でキクの育種を担う(有)精興園もオランダにパートナーを持ち、その会社を通じて日本で開発されたキクを世界中に販売している。
事務所の設立当時、オランダ国内では経済危機で銀行が融資に慎重になり、農業関連企業や農業者の倒産・離農が相次ぐ厳しい時代だったそうだ。しかし、その間も政府は00年ごろから続くエネルギー関連等の研究に対しては資金援助を続け、近年ようやくその実用化が始まった。皮肉なことに国内の不景気は解消せず、実を結んだ研究成果が他国(アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、韓国など)で実用化されているケースもあるという。

視察研修で出くわした
オランダ農業の真髄

8月開催の今年で5回目になる視察研修に筆者も参加させてもらった。充実したプログラムで新たな知識を得、オランダの施設園芸の現状を知ることができたこともさることながら、異なるバックグラウンドを持つ人たちが集っていたことも特徴だ。農業者だけではなく、研究者や農業研修生、建築関係、流通関係などさまざまで、なかには中国からの参加者もいた。

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