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農業でもとくに施設園芸は、総合的な知識とスキルが必要だと感じる。温度や湿度、光などの管理のために植物の特性を把握することに加え、施設やかん水、冷暖房システムに関する知識、各種基準や排液規制への理解、ITシステムを会得して使いこなすスキル、そして投資額と出荷額のバランスを調整する経営センス。これらを1人で習得するには膨大な努力と時間がかかる。さらには1人の場合だと間違って解釈してそのまま気づかないケースもある。
前述のとおり、今回の視察研修には各方面のプロフェッショナルが参加していた。同じ施設を回り、疑問に感じたことを質問するとすぐにその道のプロが意見や回答をしてくれた。時には視点や専門の違いからお互いの意見をぶつけ合っている場面にも遭遇した。筆者が考える「オランダ農業」とはまさにこれだ。生産設備や農業生産資材、品種などのハード面の技術革新を追求することももちろん大切だが、使用する側の意識変革や他業種との意見交換、コンサルタントなどプロの意見の享受など、ソフト面もそれに追随しなければいけないことを忘れてはならない。
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紀平真理子 キヒラマリコ
1985年、愛知県生まれ。2011年、オランダへ移住し、食や農業に関するリサーチ、本誌や馬鈴薯専門誌『ポテカル』への寄稿を開始。2016年、オランダVan Hall Larenstein University of Applied Sciences農村開発コミュニケーション修士卒業。同年10月に帰国し、農業関連記事執筆やイベントコーディネート、海外資材導入コーディネート、研修・トレーニング、その他農業関連事業サポートを行なうmaru communicateを立ち上げる。今年9月、世界の離乳食をテーマにした『FOOD&BABY 世界の赤ちゃんとたべもの』を発行。食の6次産業化プロデューサーレベル3認定、日本政策金融公庫農業経営アドバイザー試験合格。
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