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弁護士・戸出健次郎の困ったときの相談と転ばぬ先の杖

耕作放棄地(遊休農地)解消のための対策

【質問】
近年、耕作放棄地の問題が、新聞やニュースでも取り沙汰されています。これだけ大きな問題に対し、行政はどのような取り組みをしているのでしょうか。また、今後、どのような解決策があり得るでしょうか。

【回答・解説】

1 問題点
耕作放棄地(便宜上、「遊休農地」と同義とします。)の問題を解決するのが非常に難しい問題です。それは、この問題が、個人の権利と公共の利益のバランスをどのように取るか、という問題だからです。
耕作していない農地を放置すると、雑草が生い茂り、病害虫が発生するなど、周辺農地にも悪影響を及ぼします。ひどいケースでは、産業廃棄物の不法投棄場所になっているところもあります。また、効率的な農業経営の前提となる農地集積の妨げにもなります。しかし、他方で、農地を含む不動産は、原則として国民個人の所有権の対象とされています。そして、所有権を含む財産権は憲法により保護されています。そのため、農地をどのような活用するか、あるいは活用しないかというのは、所有者の自由であるということです。
すなわち、行政が耕作放棄地解消の問題は、憲法で保障されている財産権をどこまで制限して良いかという問題なのです。
2 行政が現状行っていること
(1)指導
農業委員会が、耕作放棄地であると認めた場合、所有者に対し、農地利用の増進を指導します。しかし、強制力はありません。
(2)利用計画の届出
(1)の指導に従わない場合、当該耕作放棄地の利用計画書の提出を求められます。
(3)勧告
(2)を提出しない場合、内容が不適切な場合は、適切な農地利用の勧告がなされます。
(4)協議の通知
(3)の勧告にも従わない場合、農業委員会は、当該耕作放棄地の譲り受けや賃借を希望する者を指定して、その者との協議をすることを通知します。この通知には一定の強制力がありますが、所有者が譲渡や賃貸の意思を持っていなければ、協議はまとまりません(譲渡や賃貸の強制まではできません。)。
3 今後の展望
現在、検討されている対策として、耕作放棄地の固定資産税を増額するという政策が検討されています。この政策は一定の効果を上げるかもしれません。

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