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次に事例Cの自己資金600万円を投じ、返済期間を5年で頑張った投資計画はどうか。1年間の支払金額は140万円ほど膨らむものの、事例Aとの返済差額(合計)の差は763万円となる。補助事業に載れない場合でも自己資本金を投じれば、事例Aに比べて返済努力を163万円という金額差で実感できる。
さらに、補助事業と自己資金を併用し、事例Cと同様に返済期間を5年とした場合の、事例Dをみてみよう。30%の補助事業のみの事例Bとの返済金額の差は727万円となり、より返済の負担が軽減することがわかる。補助事業を活用しようと企むとき、まず投資額をすべて借入金でまかなったらどうなるのか(表1では事例A)を基準に、補助事業の喰い方を考えてみることを薦めたい。補助残金の年当たりの返済金額ばかりに気を取られると、返済利息で損をしてしまう。利益UPやコスト低減に努め、補助残金の償還年数を可能な限り短く設定したり、自己資金も3割程度併せて投じたり他の返済パターンを想定できることを知っておこう。
補助事業で投資をする場合は、国と自己の合弁事業と考え実行しないと、経済効果があまり出てこない。補助金額に目がくらみ、自己資金のないまま補助事業を喰うと、中毒症状が経営に現れる。またリース事業(事例E)を利用すると、事例Bよりも、返済金額(合計)は31万円多いことがわかる。返済金額が費用計上できるからといって、リース事業を安易に考えないことである。
このように前号から紹介する割引計算や今回の返済利息の試算は、値引交渉や補助残金の融資相談を受ける際に役立つ計算法である。機械屋さんの甘言にそそのかされないよう、「出を制す」投資分析法として押さえておきたい。
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齊藤義崇 サイトウヨシタカ
1973年北海道生まれ。栗山町在住。昨年、普及指導員を退職し、実家の農業を2014年から営む。経営は和牛繁殖、施設園芸が主体。普及指導員時代は、主に水稲と農業経営を担当し、農業経営の支援に尽力した。主に農業法人の設立、経営試算ソフト「Hokkaido_Naviシステム」の開発、乾田直播の推進、水田輪作体系の確立などに携わる。
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