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その他の除草や防除作業は、雑草によって成長を阻害されたり、病害虫の被害にあったりといったマイナスの影響を防ぐことがその目的である。あくまでも圃場に植えるまでの準備が大事で、その時点で栽培の良し悪しはほとんどが決まってしまうため、その後の管理作業はマイナスに影響する要素をいかに減らすかという勝負をしているだけなのだ。
栽培技術を創意工夫、新しい技術で向上できると思っているのであれば大間違いである。栽培技術というのは基本的な部分を押さえて作業をした上で、進歩することができる。天候によって、追肥の内容を変えることすらできない場合、作物からしてみれば窒素が要らない状態なのに、窒素を追肥しているような場合には、そもそも植物の生理に逆らっているのだから栽培は上手くいかない。何か小手先の技術を導入して無駄になるだけである。これは断言してもよいと思う。
栽培が上手くいかない要因
と見直すポイント
栽培が上手くいかない人と栽培が上手いと言われる人は、多くの場合、似たようなことをしている。それなのに、どうして上手くいかないのかというと、明らかな違いがある。それは、植物の成長を邪魔しているか、していないかに注目してほしい。栽培技術は作業工程を真似ることでは、同じようにはできない。上手い人は、作物や天候を観察して、理にかなったやり方をしているのだから。
ここで、露地栽培の場合の代表的な作物の生長を阻害している要因を挙げてみよう。多くはこれまでの連載の中で触れてきた内容である。繰り返しになるがマイナスになる要因を列記してみる。
●排水が悪い
典型的な要因だが、畑に水が貯まってしまうのは仕方がないと諦めている人が多い。さらに、出来の悪い理由をそこに求めているのである。絶対に排水条件を改善できない場合もあるが、耕し方を工夫するだけでも水たまりの発生を防ぐことは可能で、水たまりができることを当たり前と思わないことが大切である。
●圃場内の揃いが悪い
圃場内の揃いが良いか悪いかで、いわゆる歩留まりが決まっていると言ってもいい。揃いの良いきれいな圃場は儲かる圃場なのだ。原因はいくつもあり、株間の揃いが悪い場合や発芽不良であることも多い。圃場内の揃いが悪いのは、栽培にとっては大きなマイナスであると考え、揃いが良くなるように改善を図る必要がある。
●播種床づくりに失敗している
最近、多いのはこれだ。栽培面積が拡大するにつれて、無理をして耕起作業などを行なうケースが増えている。ある意味仕方がないといえるのだが、栽培面積の見直しも含めて考える必要がある。クローラタイプのトラクターは土壌の条件が悪くても圃場で作業ができることで悪影響を及ぼしているケースもあり、全天候型という理解は間違っている。
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岡本信一 オカモトシンイチ
(有)アグゼス
代表取締役社長
1961年生まれ。日本大学文理学部心理学科卒業後、埼玉県、 北海道の農家にて農業研修。派米農業研修生として2年間アメ リカにて農業研修。種苗メーカー勤務後、1995年 農業コンサ ルタントとして独立。 1998年(有)アグセス設立代表取締役。農業 法人、農業関連メーカー、農産物流通企業、商社などの農業生 産のコンサルタントを国内外で行っている。講習会、研修会、現地 生産指導などは多数。無駄を省いたコスト削減を行ないつつ、効率の良い農業生産を目指している。 Blog:「あなたも農業コンサルタントになれる」 http://ameblo.jp/nougyoukonnsaru/
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