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吉村明のみつひかり栽培日誌

増収のポイントは十分に登熟させること

  • 三井化学アグロ(株) 営業本部マーケティング部ハイブリッドライス 種子グループ グループリーダー 吉村明
  • 第9回 2014年11月28日

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最後の刈り取りは12月中旬頃

11月に入っても収穫はまだ半ば、今年は盆過ぎからは朝晩冷え込む日が多くなり、昨年より10日~2週間ほど、刈り取りが遅くなっています。「みつひかり」最後の稲刈りは昨年同様、12月中旬頃になるでしょう。 試験的に栽培した宮城県・山形県を始め、秋の訪れの早い地域では登熟不良となり、収量が望めない結果となりました。日本一、圃場に「いる」時間が長いみつひかり、まだまだ北日本では安心して栽培できる稲ではないようです。
この時期、産地を巡回していると、まだ刈り取りが終わっていないのはみつひかりだけ。みつひかりの田んぼはどこだったかな、という苦労が嘘のようです。
今年は、西日本を中心とした日照不足、10月に2つの台風が上陸、お盆過ぎからの低温、局所的な大雨とみつひかりにとって、決して良い気象条件ではありませんでした。現段階での平均収量は12俵弱、昨年より1俵落ちというところです。
それでも「今年の平均は14.1俵、地力のある圃場では15俵を超えた」(福井県・近藤さん)や「今年は昨年(15.3俵)以上の出来」(大分県・神田さん)というようにみつひかりの能力を引き出している方もいます。

「みつひかり物語」(9)

【吉野家への周年供給を目指して】

「吉野家」と生産者が顔の見える関係にあることを証明するのが「田んぼに〝牛丼〟のノボリが見える風景」(写真1)です。希望した生産者に吉野家からノボリが届き、みつひかりの栽培圃場に立てられています。「ここに牛丼屋ができるのか?」と質問されたこともあるとか。
みつひかりは、まだ、吉野家で使用されるコメの10%にも満たない量しか供給できていません。「みつひかりプロジェクト」の目標は周年供給です。生産面積の拡大とともに、秋に収穫したコメの集荷・保管機能の整備も課題の一つになっています。

【業務用だけでなくご家庭にも】

業務用米としての認知が進んでいる一方で、2006年からみつひかり2005を単品販売している米卸があります。岐阜県の(株)ギフライスによれば、「ハツシモ」が主流の岐阜県では、食味がよく比較的安価のみつひかりに安定した需要があるそうです。業務用だけでなく、ご家庭でも食べていただいています。

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