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編集長インタビュー

地域ブランドで世界市場を開拓


昆 国内の販路は?
木内 国内では、酒販店と、問屋を通じて大手のデパートに販売しています。ほかに直営レストランと直接取引のバーなどです。梅酒はドン・キホーテに入っています。
昆 直営レストランはいつから始めたんですか。
木内 10年前からです。ビールが20年、レストランが10年。いま、県内に4店舗あり、今年、5店舗目を東京に出店します。

地元産の麦を使う
ストーリーづくり

昆 原料に茨城県産の麦を使っているそうですね。品種はなんですか。
木内 常陸野ネストビール「ニッポニア」という商品に、金子ゴールデン(注)という麦を使っています。明治時代に金子さんという人が作った自然交配の品種を復元したものです。ビールでよく使われているミカモゴールデンは金子ゴールデンの子どもです。
昆 原料としての比率はどれくらいですか。
木内 数%です。これからもっと増やそうと思っています。原料の50%が地元産になったらいいですね。いま、原料600tのうち、15 tが地元産です。国産の他の品種も買おうと思えば買えますが、金子ゴールデンだけを使っています。
昆 金子ゴールデンの収量や品質はどうですか。
木内 収量はあまり多くはないです。品質が良い、悪いという評価はしていませんが、ビール麦の生産について茨城県は昭和44年まで日本で最大の産地だったので問題ないです。
昆 むしろ、特定の品種を使うことによって、特殊性を出したいということですね。
木内 はい。ビール麦を地元で作って地元で販売するという地産地消を徹底しています。
昆 作っている農家はどれくらいですか。
木内 いま、16戸の農家に契約栽培してもらっています。契約農家にはビール麦の裏作にソバを作ってもらっているので、蕎麦店を2店舗やっています。
注:明治時代に金子丑五郎が六条大麦品種の「四国」と米国ビール麦品種の「ゴールデンメロン」の自然交配でできた雑種のなかから「金子ゴールデン」を育成。

地域の農と加工による
ブランディング

昆 国産の麦を使うと、現実問題として原価が上がりますよね。
木内 はい。海外の麦の価格は35~40円。日本はいま、どんなに頑張っても200円は切らないです。
昆 高くても事業が成立しますか。
木内 商品を高く売ればいいと思います。そこは考え方だと思うので。たとえば、100円違ったら6000万円になりますが。6000万円高く売ればいいんですよね。地元産というストーリーがあることが大切です。

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