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編集長インタビュー

地域ブランドで世界市場を開拓


昆 そういうことをおっしゃってくださる加工業者があるなら、農業の側もきちっとした技術体系で反収を上げる努力をしないといけないですね。農業は加工品が伸びない限り成長しません。マーケットと理念を共有する加工業者と農業とのネットワークができてこないといけないと思います。
木内 いつも話しているんですが、日本の農業は簡単に復活すると思います。海外産の原料を使って海外で製造しているものが国産に切り替わればいいと思います。
昆 私たちもいままさに畜産の餌のトウモロコシを国産にしようという活動をしています。カルビーの元社長の松尾雅彦さんも大豆の地産地消をしようという取り組みをされています。ヨーロッパの先進国は、60年代まで原料を輸入していたのが、いま、原料を作って加工品を輸出しているんですよね。たとえば、イタリアはマカロニには国産の小麦を使っていて、それ以外のものはマカロニと呼ばせないという取り組みをしています。
木内 先日、イタリアとフランスを訪問しましたが、農地がきれいで草一本生えていなかったのに驚きました。その地域と農業とのブランディングのサイクルがきちっとできあがっていますね。
昆 木内さんのお話はまさにトウモロコシと大豆を地産地消するというお話と同じですね。

地域性を生かして
海外市場を開拓

昆 そもそも地産地消にこだわってきたのはなぜですか。
木内 世界に売ろうと思ったら理由がないと売れません。地域のものを使うのが最低限の条件です。
昆 おっしゃるとおりですね。とくに食にかかわるものは。
木内 企業全体が一つのブランドイメージを持つことが大事なので、お酒の事業もレストランの事業も必ず地域との関連性を持たせています。
昆 常陸野ネストビールのネーミングも?
木内 昔の行政区域が常陸野。この辺りは鴻巣という地域なので巣の意味のネスト。名前もローカルとローカルを合わせました。
昆 一番大事なのは風土性を大事にするということですね。
木内 そうですね。海外で売る場合に大事なのはそこですね。コストじゃないです。いま、世界的にメジャービールを飲まないという運動が起きています。日本から世界に持っていくと、地ビールの市場価値が認められます。
昆 アメリカのホテルでは必ず地ビールを売っていますよね。海外でいろいろな賞を受賞されていますが、海外に売るのは最初からの目標だったんですか。
木内 そうですね。最初から海外は販路として検討していました。海外で売れたらいいなっていう夢がありましたね。

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