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最後に、米国の事例を紹介する。一見、水たまりの心配をしなくてよいと思われる米国のカリフォルニア州の畑地でも、レーザーレベラーなどを駆使して圃場を平坦にし、水たまりができないようにしている。彼らの灌水作業はスプリンクラーによる散水で行なう。圃場内に高低差があると水たまりができるため、あらかじめ平坦にしておくのである。
現地を訪れた際に、レーザーレベラーを使用する理由を聞くと、「水たまりができないようにするため」と明確に答えてくれたほどだ。
大規模でラフな作業体系だと捉えがちな米国の野菜栽培でも、僅かな出来の違いを防ぐために土壌を平坦にしようとして工夫しているのだ。雨の多い日本で水たまりができることが当たり前であると考えていては、当然、解決できない。
もちろん、どの圃場でも今すぐにレーザーレベラーを導入して、圃場を平坦にしたり、傾斜をつけて中央から周辺に排水しやすくする作業をしたほうが良いということではない。レーザーレベラーによる均平はあくまでも工夫の一事例である。
通常の排水性改善策をしていても、大きな水たまりが圃場内にあれば、その効果は十分に発揮されない。水たまりというよりも、雨が降ったら仕方がないという考え方から脱することが一番大事だと思う。日々の作業の細かい部分ではあるが、水たまりができてしまう原因をとり除けるのだから。
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岡本信一 オカモトシンイチ
(有)アグゼス
代表取締役社長
1961年生まれ。日本大学文理学部心理学科卒業後、埼玉県、 北海道の農家にて農業研修。派米農業研修生として2年間アメ リカにて農業研修。種苗メーカー勤務後、1995年 農業コンサ ルタントとして独立。 1998年(有)アグセス設立代表取締役。農業 法人、農業関連メーカー、農産物流通企業、商社などの農業生 産のコンサルタントを国内外で行っている。講習会、研修会、現地 生産指導などは多数。無駄を省いたコスト削減を行ないつつ、効率の良い農業生産を目指している。 Blog:「あなたも農業コンサルタントになれる」 http://ameblo.jp/nougyoukonnsaru/
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