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編集長インタビュー

著書『スマート・テロワール 農村消滅論から大転換』上梓に際して伝えたいこと


昆 農村は、そういうエリアだということですね。
松尾 震災以降、ようやく絆という言葉が思い出されましたね。震災がなければ、みんな利己主義の経済の枠組みに頭の中が染まっていました。『農業経営者』の読者も「かせぎ」の考え方で成功した人たちですよね。「スマート・テロワール」を始めるときには一番の抵抗勢力になりますよ。成功しているということは、地域のためではなく、他地域に売っているということですから。昆さんもそれに染まっていませんか。
昆 あっはっはっは。でも、おっしゃることはわかります。「つとめ」の中から自分の事業的役割を果たして進化させていけば、永続的な事業になっていくということですね。それは極めて21世紀的な農業になるだろうと思います。
松尾 いままでの延長では農村をだめにするだけです。私は、規模を大きくして成功した経営者に、「あなたの才覚はいまから活きる。活かしてほしい。その成功した才覚で活かしてほしい」と伝えたいのです。
昆 いまのままでは農村の将来はないということは、ほとんどの読者が理解し、共感すると思いますね。ただ、「理想はわかった。でも、現実問題としては『かせぎ』も必要だ」と考えると思います。
松尾 現実的にはいまの事業をそのまま続けてください。地域のための作物を作って地域で売るのは新しい事業として考えればいいわけです。
昆 従来の事業をやりながら、地域のためになることをやるという機運は、読者の中にもかなりあると思います。
松尾 たとえば、地域のために、地域限定の醤油、味噌、豆腐をつくる。そのために大豆を作るというのは単独ではできません。「スマート・テロワール」、つまり自給圏をつくって、生産者と加工場の人たちとが「この値段で売りましょう」という話し合いから始めればいいでしょう。
昆 6次産業化では東京に売ろうとしているんですよね。いずれ東京に売ればいいけど、地元で先においしいものをつくろうというお話でしたね。
松尾 地元でベースをつくらないと、6次産業化しても東京では売れません。それは地域ブランドではなくて、地域ネームにしか過ぎませんよね。
昆 ブランドはお客さんが決めるものですからね。
松尾 お客さんの心の中に残るのがブランドです。地域の中で醤油でも味噌でも地域の中で勝ち抜いたものが全国に出ていくべきです。

水田を畑地にするには
自給圏のビジョンが必要

昆 日本の農業は、どうしても瑞穂の国幻想があって発想転換ができません。

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