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土門「辛」聞

『雪だるまパンフ』の向こうに『借金だるま』が見える

農水省がキャラバン隊まで繰り出した「品目横断的経営安定対策(直接支払い)」と「集落営農組織」PRキャンペーン「冬の陣」。お役人の懸命なる努力にもかかわらず、肝心の農家の反応はすこぶる低調だ。聞こえてくるのは、閑古鳥が鳴く集落座談会の光景のことばかり。行政と農協の関係者数人に、農家が数えるほどというシーンも珍しくはない。集落の2割の農家も集まれば、行政と農協が安堵するという集落営農列島冬景色なのである。
行政・農協の努力空しい閑古鳥無く 集落座談会の冬景色

 その原因を手繰っていくと、そもそも「品目横断的経営安定対策」という新たな助成金をエサに、農家を集落営農組織に囲い込み、減反を強制させる行政手法が、農家に胡散臭く思われたようだ。説明不足も政策不振に拍車をかけた。東北の某県でのエピソードを紹介する。

 商人系業者の集まりにやってきた農政事務所課長氏は、冒頭に「質問はご勘弁願いたい」と断りを入れて品目横断的経営安定対策を説明した。通称「雪だるま」パンフを棒読みするだけで、時間が来たらサッサと帰っていったという。おそらくは「品目横断的経営安定対策」と「集落営農組織」の有機的連関をまるで理解されていないが故にパンフを棒読みしかできないということであろう。どの農政事務所?。ヒントは、筆者のお気に入りの「雪漫々」の蔵元がある県で~す。今シーズンの講演行脚、そんなお役人の説明の後を受けての出番というシーンが2回ほどあった。おかげでお役人による説明不足を補わせていただくことができ、聴衆の皆さんにとても喜ばれた。その講演を誌上で再現してみよう。

 きっかけはフジテレビ~、ではありませんが、農業大激変ドラマはWTO農業交渉大敗北で始まるのです。大本営発表報道ばかりで、交渉の実態がまるで伝わってきませんが、ニッポン農業がテーブルごとひっくり返ってしまうような大敗北を喫しつつあるのが実情です。農水省のキャラバン隊は、そのことには触れず、いきなり「品目横断的経営安定対策」や「集落営農組織」を説明するわけですから、皆さんがチンプンカンプンになるのは当たり前なのです。

 この交渉は農産物の関税大幅引き下げが焦点です。わが政府は、交渉スタンスとしてEU(欧州連合)を味方につけ、米国など輸出国が求める関税大幅引き下げを防ぐ作戦をとりましたが、これが大失敗。そのEUに逃げられてしまったのです。2001年11月のことでした。カタールの首都ドーハで開かれた閣僚会議で、こともあろうに敵であるはずの米国と妥協してしまったのです。その後は、米国とEUは妥協を繰り返し、これで超低率関税への道が開かれたのです。

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