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エクセレント農協探訪記

秋田県・大潟村農協

 新たに導入したつなぎ資金制度もユニークだ。これは仮渡金と違い、米の収穫が終わる11月頃から翌年10月までの運転資金を1000万円を限度に貸し出すものだ。むろん無担保である。ここにも農協は新機軸を打ち出した。利息をグーンと下げたのである。短期プライムーレー卜にちょっと色をつけた程度の1・925%の超サービス・レートだ。しかも貸付条件をいっさいつけなかった。減反に参加しない農家や、あるいは農協に米を出さない農家にも貸すことにしたのだ。佐藤組合長は、 

「このレートでは村内のライバル金融機関はついてこれないだろうな。20年間も減反問題で争ってきた経緯があるんで、最初は減反しない農家や農協に米を出さない農家には金を貸すなという声もあったよ。でもね、農協にとって最良の顧客は金を借りてくれて、きちんと返してくれる組合員なんだね。それに、いつまでもそんなことで差別をしていると、ライバル金融機関に上客を取られてしまう。これが恐いね」と、説明してくれた。

 大潟村の農家は、米を中心とした農業収入は、多い人で4000万円、平均でも3000万円はある。兼業が大半の周辺の農家に比べ農業収入は10倍もある。無担保で1000万円を貸し付けても、取りはぐれはほとんどないのだ。村内には約5800戸しか農家がいないのに、秋田銀行と北都銀行が数年前から支店を出している。村内農家の旺盛な資金ニーズをアテ込んでのことだ。

 農協の貸出金利の高さは組合員にとって不満のタネだった。大潟村農協のように工夫一つで不満を解消することは十分に可能だ。実質年利で2%もの差があることは、いずれ農家にも知れ渡ることである。いま、よい農協の組合長とは、こうした商法を反省し、農家のために何をしたらよいかを考える”経営者”のことをいうのである。

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