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【編集長インタビュー】
日本の自然を守っているのは第一次産業である
- 作家 立松和平
- 第19回 2006年03月01日
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『遠雷』から四半世紀、変化した農村の光と陰
昆吉則(以下、昆) 立松さんの『遠雷』を読んだのは、20年以上前、私が農機具の業界紙に勤めていたころでした。機械化と都市化の波の中で揺れる当時の農民の姿がよくとらえられていると感心しました。そのころと現在の農業や農村を比べて、今どのように感じていらっしゃるのでしょう。
立松和平(以下、立松) 今の農業は私が『遠雷』を書いたころとは全然違っています。当時は、押し寄せる都市化の波をどうやって乗り超えていくかというのが大きな問題でした。でも、食管法などもあって、農業は守られていた。しかし、今は生産調整が行われて4割減反といった状況の中で、どうやって農業を守っていくか、そう考えると極めて難しい。
大規模農業をする、あるいは生産性の高い農業を目指すという方向もあるとは思います。先日も北海道の知内でニラを栽培している農家を取材してきたのですが、そこでもコメからの転作に成功したところは豊かになっています。逆に失敗したところは、非常に辛い状態にありますね。
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立松和平 タテマツワヘイ
作家
1947年栃木県生まれ。早稲田大学政経学部卒業。1980年『遠雷』で野間文芸新人賞。1986年、アジア・アフリカ作家会議の「85年度若い作家のためのロータス賞」。1997年、小説「毒-風聞・田中正造」で第51回毎日出版文化賞受賞。国内、海外各地を旅する行動派の作家として知られる。自然環境保護の運動にも積極的に取り組む。ふるさと回帰支援センター理事長。
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