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世界の農業機械・資材トレンド

ヨーロッパ最新自動操縦システム 独プロフィ誌厳選の6メーカー

自動操縦システムは、オペレーターにかかる負担の軽減とともに、作業効率の改善、時間と燃費の節約など幅広いメリットがある未来型農業のさきがけだ。しかしヨーロッパでは、月単位で新たな商品が登場するため、経営に合わせた最適な選択は難しい。価格と精度がシビアに比例する商品だけにそれは当然と言える。今回は遠からず日本の農業現場にも登場するであろう自動操縦システムを、独プロフィ誌から紹介する。
位置補正技術でシステムを比較する

 GPS(全地球測位システム)を使ったナビゲーション技術は、ここ数年で飛躍的に進歩している。これを農機に導入し、同時に複数の機械操作をさせる動きが世界的な動きになっている。自動操縦システムはさまざまな農業車両に装備でき、視界が悪いとき、特にその真価を発揮する。オペレータは作業機操縦に集中できるため、1日当たりの作業効率は増大する。加えて、ますます重要度が増す燃料費の節約にもつながる。

 それでは、どの自動操縦システムもすべて同じかと言えば、そんなことはない。多くの点で違いがあるが、そのひとつに動的精度が挙げられる。動的精度とは、一定の時間単位で計測され、GPS信号の誤差で自動操縦システムがどれくらい影響を受けるかを示すものだ。この精度が高くないと、車両に正確な軌道を進ませることができない。動的精度は、15分間でどれくらい正確な軌道とずれるかで表現する。

 最も高精度の自動操縦システムには、RTK※1技術が使われている。この技術は、各地方にある基準局を使って農業機械に補正信号を送信する。さらに、米オムニスターなどの静止衛星を用いて信号を補正するシステムもある。オムニスター社では、複数の衛星からの信号のほか、自社の基準局からの信号も合わせた補正データを提供している。

 精度が最も劣るシステムは、オムニスターVBSのような衛星のみで信号補正をするサービスだ。このシステムは、複数衛星から送られる信号で位置を補正する。

 高い精度の作業が求められる場合は特に、傾斜地でどれくらい補正されるかを調べみるとよい。機体が傾いたまま動くと、キャビンに装着したアンテナが機体中心部より大きく外れ誤差が生じやすいからだ。

 システムの互換性は重要なポイントだ。最高の自動操縦システムであっても、自分のトラクタやコンバインとマッチングしなくては意味がない。また、1つのシステムを農場にある複数の機体に付け外しさせようとするのであれば、1つの機体から別な機体へと簡単に脱着できることが求められる。

 プロフィ編集部は、ヨーロッパの農機マーケットで現在販売されている自動操縦システムの中から、オートファーム社、AGCO社、ジョンディア社、アウトバック社、トリンブル社、ライヒハート社の6メーカーを選んだ。以下各システムを紹介する。

※1 基準となる固定点と、求点である移動点(自機)で同時に衛星信号を受信し、固定点で取得した信号を無線などを用いて移動点に転送、即時に位置補正を行う測量手法。

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