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特集

フルクローラトラクタ、高性能農地を作るカギ

  • 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
  • 2006年02月01日

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■チャレンジャー・ジョンディアの魅力と日本農業での価値

 外車2機種は、あくまで畑での利用を前提としたもので、水田での利用はクローラの構造上、不可能だ。それに対して、国産機は心金タイプの水田用クローラを履かせ、水田での利用を第一義としている。

 馬力については、国産機は現在の最大機種で160馬力。200馬力以上の外車とはエンジン馬力だけでも大きな差がある。さらに、外車2機種は機体重量が約11tあるのに対して国産機は大きなものでも9t程度。また、外車が機械式のダイレクトミッションであるのに対して国産機は油圧を使ったHST駆動。エンジン出力、ミッションの違い、機体重量の差などによる、そのけん引力の大きさが外車の大きな特徴である。

 反面、国産機は機体が小さく、湿田で代かき作業をさせる能力は稲作経営の幅を広げている。さらに、接地圧は外車2機種と比べるとはるかに小さく、圃場作りにおいて外車では使えない条件下でも仕事ができる利点を持つ。

 外車2機種の導入例は限られている。チャレンジャーを使っているのは、20年ほど前から同機を使い、300馬力級の「65」を含め、3台を所有する(農)勝部農場。その他、北海道で数台、あとは青森県、千葉県、福井県、岐阜県などで転作を含む大区画の圃場条件に恵まれた畑作経営者たち、または乾田直播に取り組む集団経営体の生産者たちだ。加えて、北海道を中心にスガノ農機(株)の技術指導で圃場整備を請け負う土木業者や、農業公社のような組織での導入も確認されている。

 一方、ジョンディア導入を確認できたのは、生産者では、千葉県の柏染谷農場と北海道十勝の岩井農場くらいだ。

 条件さえ整えば、これらの機種なら、20インチ5連のリバーシブルプラウや、5mの直装レベラ、あるいは80cmの超深耕が可能な二段耕プラウなどが使用可能となる。また、精密な播種床を形成をするための大型作業機類や、施肥播種を含めたようなミニマムティレッジ(最小耕うん)のための作業機類も自在に使える。

 前出の柏染谷農場は、千葉県で河川敷の耕作放棄地の管理委託を請け負っており、そこではジョンディアに大型プラウと、スウェーデンバーダスタッド社の「キャリア」を組み合わせた体系を導入している。また、青森県の舮作興農組合では、旧タイプのチャレンジャー「45」を入れて、プラウでの秋起しを1ha1時間でこなしている。

 機械価格は、ヤンマーが扱う「8220T」が希望小売価格で2400万円超。チャレンジャーも、かつては新車で1900万程度だったものが、現在では中古でも1600万円はするようだ。しかも、アメリカの野菜生産などの管理作業用に使われてきたクローラ幅の狭い200馬力級の中古が輸入されているため、クローラを広幅に交換するだけで200万円、さらにメンテナンスも含めると相当な費用がかかる。費用だけではない。チャレンジャーに関しての話だが、(農)鹿島の前野千春氏によれば、以前に新車でチャレンジャーを購入したものの、正式な代理店がないためメンテナンスに不便を感じているという。

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