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【今月の数字】
2005年に発見された最大の素数の桁数
- (株)結アソシエイト 代表取締役 松田恭子
- 第20回 2006年01月01日
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781万6230桁
素数は、1とその数字以外の数では、割り切れない数。ずいぶん昔に学校で「1、2、3、5、7、11、13……」などと暗唱させられた記憶がある。その素数、2005年2月に最大素数の世界新記録となる781万6230桁が発見された。
2のべき乗-1
この「2のべき乗-1」という形の素数は、メルセンヌ素数と呼ばれ、1644年にメルセンヌというフランスの僧侶が、下のように断言したことから始まった。
p = 2、3、5、7、13、17、19、31、67、127、257 のときMp = 2p-1 は素数で、
p < 257 のときこれ以外のMp は合成数である。
pには11がない。2を11回掛け算して1を引くと、2047。これは、23×89で表されるから「合成数」になる。pが11という小さい数でさえ、23×89という因数分解を見つけるのは厄介だ。これが桁数が大きくなると、断言されたからといってすぐに正しいかどうか証明できるわけではない。メルセンヌ素数にしても、1866年(メルセンヌが断言してから何と222年後!!)にやっと判定法が見つかり、手計算で127桁の素数が発見された。素数に対して魅力を持てるかは別として、「法則がありそうでわからない」ものの法則を見つけたいという気持ちは万人共通ではないだろうか。
下の表は、メルセンヌ素数の数字と発見年、発見者の一覧だ。1952年以降は計算機の発展とともに素数が発見されていった。しかし本当に画期的なのは1996年からで、グラフを見ると短期間のうちに巨大な桁の素数に到達した(左下の図)。これは20万台以上のパソコンがインターネットで繋がり、分担して計算する「分散コンピューティング」のおかげだ。1つの目的に向かって多様な能力・情報を持ち寄って飛躍的な進歩を遂げる時代になった。農業の技術革新も、産業・実務レベルで共同して推進する仕組みが生まれる年になってほしい。
(松田恭子)
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松田恭子 マツダキョウコ
(株)結アソシエイト
代表取締役
日本能率協会総合研究所で公共系地域計画コンサルタントとして10年間勤務後、東京農業大学国際食糧情報学科助手を経て農業コンサルタントとして独立。実需者と生産者の連携の仕組みづくりや産地ブランド戦略を支援している。日本政策金融公庫農業経営上級アドバイザー試験合格者。(株)結アソシエイト代表取締役。
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