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同伴者たち

産地価格で国際比較をするから日本農業の可能性も見えない!/カルビー(株) 社長 松尾雅彦

今こそ都市と農村の垣根を取り払う一体化のチャンス


 戦中、戦後、50余年にわたって、農業保護の政策によって都市と農村は分断されてきたように思います。食糧不足の時代には、それなりの役割を果たしてきました。しかし、過剰の時代を迎えて、いまこそが、むらとまちとが一体になるチャンスなのだと思います。消費者とのつながりを分断されては、農業の自立経営はますます難しくなってしまいます。

 これまでは系統組織や族議員の政治家達によって、農家はまちの人々と手を組むことを邪魔されてきたのではないでしょうか。

 たとえば今、地方都市や農村にも、コンビニエンスストアが拡がりを見せています。コンビニストアは人々の生活に必要なものを全部そろえようと、猛烈な努力をしています。昔から主婦が農家のお客様でした。彼女たちが料理の担い手だったからです。しかし、今、彼女等の多くは料理から離れて、コンビニのお客様に変わりつつあります。したがって、主婦に変わって惣菜の加工工場が農家の重要なお客様になってきました。いま、ポテトサラダを作っているのは主婦ではないということを頭においておくべきです。

 コンビニも大変伸びていますが、外食産業も大いに伸びています。イタリア料理店も伸びている店のひとつです。ここでは完熟したトマトをふんだんに使っています。質の良いフレッシュな素材を大事にするところです。

 カルビーでもコンビニでもイタ飯屋でも、伸びているところの共通点は、質の良いフレッシュな素材を大事にしていることです。しかも、通年の需要に応えることです。建前として農業保護を語る人々ではなく、さまざまな制約やリスクがあっても自己変革を進め、お客様に求められる市場を作りながら伸びていく人々、いわば前を向いた人々と組む必要があるのではないでしょうか。

 加工流通の人々と手を組み、一体になって活動する関係を作る経営者には、沢山のチャンスがあるのです。

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