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耕すということ

石礫除去・表層作土造成法とその意義

 自走式厚層処理ストーンピッ力の後に開発されたのが、コンビネーションストーンピッ力である。自走式の成功からさらに厚層処理を本格化しようとしたものである。

 傾斜地では、石礫除去の事業に合わせて基盤を平坦に均らしたい事情もあった。2台の掘削機を石礫選別機の両側に配置し、50cmの深さで掘削して石礫を選別する。この際、傾斜や凹凸があれば約50mの幅で基盤を平らにするのである。土砂はその上に戻されるので、前とは違った平坦な圃場に変身する。

 さらにこの工法の特徴は、一時土砂が中央に堆積され、後にクローラトラクタで均らされることから、全圃場が同じ土質にできることである。石礫圃場の多くは、石礫の分布が不均一であり、普通の工法では石練の多かった場所は凹み、土砂も多いものである。邪魔になる石礫は除去されても、場所によって土質が異なるのに対して、それが是正される。

 この工法であれば、農耕地として利用されなかった場所も、立派に農耕地に仕立てることができるであろう。掘削機の威力を存分に発揮することができる。面白いことに、こうした一連の厚層処理ストーンピッ力の成功から掘削機に新しい見直しをかけることになる。掘削機そのものをストーンピッ力に利用できないかである。

 ことの発端は部分施工である。場所によっては、圃場の局部にしか石礫が存在しないことがある。全圃場の施工は無意味であり、経費も多額である。自走式も、コンビネーションも局部施工は不得手であることから、掘削機のバケットをつかってはどうかと検討されることになった。

 ちょうど、自走式施工の石礫を運ぶ時に、掘削機のバケッ卜を改良したことがきっかけになって、バケットにさらに改良を加え、掘削機だけで部分施工することになった。作業能率には不満が残るが、手軽さが受けて、現在ではかなりの台数が現地に稼働している。

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