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関 土というのは飽くまでも、その機能を人がどこまで使わせてもらうかなんですよね。品評会に出すような土を作りたって、それを食べるわけではないのに。
乗松 まったくです。たとえば日本特有の資材に、含鉄資材、ケイ酸資材、マンガン資材といったものがありますが、本当に入れなければいけないものですか。
関 無機の高炉滓というのは、僕は全然メリットないと考えているんです。
乗松 でしょう!
関 水田というのは、年間に水が……。
乗松 10a当たり2000t入りますね、暖地稲作の場合。
関 その水の中に効くタイプのケイ酸が含まれているんです。なにも鉄屋のゴミを引き取ってくる必要なんかない。
乗松 あんな高いものをね。まあ、公害を出さない棄て方なんでしょうね。水田は本来、永久循環できるほどいちばん安定した作―方です。本当は人工的な肥料分か入らない地域の土手草、山草を刈って水田に入れればいいんです。山草はマグネシウムでもマンガンでも鉄分でも、いちばんたくさん持っている。透水性のない水田なら、これだけでも日本の食糧はまかなえる。わざわざ有機だ化学だなんていウ必要なんかない。
関 同じところで同じ作物を作り続けて生産力が落ちなかったのは世界中で日本だけだということで、戦後GHQが「日本農業の不思議」ということを調べて本にもなったんですが、その中にも、穫った分だけの山草なりの有機物を水田に入れて イッテコイ をやっていた様が書かれています。それがその後、いじくっていじくって、いじくり過ぎたというところまで来ているんでしょう。
乗松 まったくです。リン酸分なんかもう圧倒的に多過ぎます。あれが全部吸収されるとしたら、恐ろしいことです。
関 本来、水田のリン酸は、水を張ることによって自動的に出ていって、秋に落水するときに溶け出さない形になって、いちばんいい状態でいるわけですよね。
乗松 そこへわざわざリン酸を投入するというのは、“吸収されない形”で入るから大丈夫なんですよ。(笑)僕は、いまの日本の稲作は、いかに肥料を鈍くするか、いかに稲に吸収させないかという形になっていると思うんです。品種も、作業方法も。たとえば「中干しを強めにやりましょう」なんていいますが、あれは根を全部腐らせるものです。
乗松 まったくです。たとえば日本特有の資材に、含鉄資材、ケイ酸資材、マンガン資材といったものがありますが、本当に入れなければいけないものですか。
関 無機の高炉滓というのは、僕は全然メリットないと考えているんです。
乗松 でしょう!
関 水田というのは、年間に水が……。
乗松 10a当たり2000t入りますね、暖地稲作の場合。
関 その水の中に効くタイプのケイ酸が含まれているんです。なにも鉄屋のゴミを引き取ってくる必要なんかない。
乗松 あんな高いものをね。まあ、公害を出さない棄て方なんでしょうね。水田は本来、永久循環できるほどいちばん安定した作―方です。本当は人工的な肥料分か入らない地域の土手草、山草を刈って水田に入れればいいんです。山草はマグネシウムでもマンガンでも鉄分でも、いちばんたくさん持っている。透水性のない水田なら、これだけでも日本の食糧はまかなえる。わざわざ有機だ化学だなんていウ必要なんかない。
関 同じところで同じ作物を作り続けて生産力が落ちなかったのは世界中で日本だけだということで、戦後GHQが「日本農業の不思議」ということを調べて本にもなったんですが、その中にも、穫った分だけの山草なりの有機物を水田に入れて イッテコイ をやっていた様が書かれています。それがその後、いじくっていじくって、いじくり過ぎたというところまで来ているんでしょう。
乗松 まったくです。リン酸分なんかもう圧倒的に多過ぎます。あれが全部吸収されるとしたら、恐ろしいことです。
関 本来、水田のリン酸は、水を張ることによって自動的に出ていって、秋に落水するときに溶け出さない形になって、いちばんいい状態でいるわけですよね。
乗松 そこへわざわざリン酸を投入するというのは、“吸収されない形”で入るから大丈夫なんですよ。(笑)僕は、いまの日本の稲作は、いかに肥料を鈍くするか、いかに稲に吸収させないかという形になっていると思うんです。品種も、作業方法も。たとえば「中干しを強めにやりましょう」なんていいますが、あれは根を全部腐らせるものです。
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関祐二 セキユウジ
農業コンサルタント
1953年静岡県生まれ。東京農業大学において実践的な土壌学にふれる。75年より農業を営む。営農を続ける中、実際の農業の現場において土壌・肥料の知識がいかに不足しているかを知り、民間にも実践的な農業技術を伝播すべく、84年より土壌・肥料を中心とした農業コンサルタントを始める。 〒421-0411静岡県牧之原市坂口92 電話番号0548-29-0215
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