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土壌別経営診断うちの土ではどう作る?

乗松精二さん(静岡県磐田郡)の場合

圃場・改善のポイント/西南暖地の水田作
過剰な還元抑え、最適量の有効態チッソを



地温の高い西南暖地は北日本とは違う考え方で

 高温多雨の日本の気候は、この条件下にずっとおかれてきた土壌にもその影響が大きく、作物に大切な無機養分を流亡させてしまい、また有機物の分解も必要以上に進んでしまうことから。腐植の生成も諸外国の良質土壌のようにはいきません。

 そこで稲の伝来という偶然も重なって、水を張った圃場に栽培することが生産力の高い手法であることを先人たちは知ったのでしょう。

 現在の日本の水田面積は、約200万haぐらいと考えたらよいのでしょうが、日本列島の南に位置する西南暖地の稲への取り組み方と東北・北海道地域での取り組み方では考え方がかなり違うと思います。今回は西南暖地ということです。

 西南暖地の水田は、春先から温度に恵まれ、盛夏にかけて地温はぐんぐん上がり、このことにより、地力チッソがスムーズに出てくるという条件下にあります。

 戦後の水稲の研究は、一つの課題として、水稲栽培の北限をどこまで伸ばせるかということにあったことも事実と思います。このため、品質も耐冷、耐イモチ特性を追求したわけでしょう。

 この努力の甲斐あって、北海道での水稲作、東北地方での安定性ある水稲作が実現したわけでしょう。

 そして時代が変化して、米が余る時代、生産調整の時代、米の自由販売の時代と、社会や政治の流れも水田土壌や稲の品種を変化させていき、西南暖地でも米の食味を考えない水稲作は通用しなくなりました。

 今回訪問した乗松さんのお話は、西南暖地で食味を追求する稲作を行なおうという人にとって参考になることがたいへん多いと思います。


還元作用が水稲にとって理想的な状態を作る


 まずこのこととは少し別の話となるのですが、水田土壌の基本的なしくみを押さえておきたいと思います。この基本的なしくみと稲の根の特性、そして現場においての土壌の状態の把握方法について述べていきます。

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