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まず、湛水状態が続く土の中では微生物の活動する種類に変化が起きてきます。ひと口に土といっても、水田土壌には、分解しやすい有機物、そして分解しにくい有機物と、いろいろの段階のものが含まれていますが、水を張った当初は、水に溶けている酸素が使われて好気性微生物が活動し、好気的な有機分解をしていきます。
この水に溶けている酸素の絶対量は少なく、1L当たり5ml程度ですが、実際の水田では次々と水が流入することでその補給を受け、この好気性微生物もかなり働きます。
しかし、水田に含まれる有機物の量もそれ以上にたいへんな量で、流入する酸素ではとても間に合いません。つまり、酸素が使いつくされてしまう状態になります。
そうすると、次は嫌気性微生物の活動する場面となります。この嫌気性微生物は、酸素を使う代わりに有機物からもぎ取った水素をエネルギーに変えて活動するもので、有機物分解のスピードも好気的な有機物分解に較べて速くはありません。
つまり湛水下の嫌気性菌の活動はゆっくりとしたものですが、しかし湛水状態が続く限り、確実に一つの規則性をもって進行していきます。
それは硝酸の還元、マンガンの還元、鉄の還元、硫酸の還元、メタンの生成という順序です。
この畑地状態とは違う還元状態というのは。この還元の程度が極端に進んだ段階でさえなければ、稲にとってはたいへんに都合のよい状態なのです。
その都合のよいこととしては、まずチッソの形態にあります。
稲はチッソをアンモニア態で吸収利用する特性があるのですが、この土壌の還元化というのは、このアンモニアが酸化しないで安定してアンモニアであり続けるために必要なことなのです。またリン酸成分を稲が利用できる形にしてくれるのもこの還元状態です。
さらにマンガンについても、還元状態になると二酸化マンガンが二価のマンガンイオンとなり、吸収利用されます。
鉄についても還元状態において二価鉄となったものを利用します。
このような吸収形態が稲の特性に合致するだけでなく、夏期の高温期に湛水状態にあるということは、有機物の分解が適度にゆっくりとしか進まないということでもあり。チッソがこの分解から溶出してくる程度も緩やかで、イネにチッソ過剰を起こさないという好都合にもつながっているのです。
この水に溶けている酸素の絶対量は少なく、1L当たり5ml程度ですが、実際の水田では次々と水が流入することでその補給を受け、この好気性微生物もかなり働きます。
しかし、水田に含まれる有機物の量もそれ以上にたいへんな量で、流入する酸素ではとても間に合いません。つまり、酸素が使いつくされてしまう状態になります。
そうすると、次は嫌気性微生物の活動する場面となります。この嫌気性微生物は、酸素を使う代わりに有機物からもぎ取った水素をエネルギーに変えて活動するもので、有機物分解のスピードも好気的な有機物分解に較べて速くはありません。
つまり湛水下の嫌気性菌の活動はゆっくりとしたものですが、しかし湛水状態が続く限り、確実に一つの規則性をもって進行していきます。
それは硝酸の還元、マンガンの還元、鉄の還元、硫酸の還元、メタンの生成という順序です。
この畑地状態とは違う還元状態というのは。この還元の程度が極端に進んだ段階でさえなければ、稲にとってはたいへんに都合のよい状態なのです。
その都合のよいこととしては、まずチッソの形態にあります。
稲はチッソをアンモニア態で吸収利用する特性があるのですが、この土壌の還元化というのは、このアンモニアが酸化しないで安定してアンモニアであり続けるために必要なことなのです。またリン酸成分を稲が利用できる形にしてくれるのもこの還元状態です。
さらにマンガンについても、還元状態になると二酸化マンガンが二価のマンガンイオンとなり、吸収利用されます。
鉄についても還元状態において二価鉄となったものを利用します。
このような吸収形態が稲の特性に合致するだけでなく、夏期の高温期に湛水状態にあるということは、有機物の分解が適度にゆっくりとしか進まないということでもあり。チッソがこの分解から溶出してくる程度も緩やかで、イネにチッソ過剰を起こさないという好都合にもつながっているのです。
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関祐二 セキユウジ
農業コンサルタント
1953年静岡県生まれ。東京農業大学において実践的な土壌学にふれる。75年より農業を営む。営農を続ける中、実際の農業の現場において土壌・肥料の知識がいかに不足しているかを知り、民間にも実践的な農業技術を伝播すべく、84年より土壌・肥料を中心とした農業コンサルタントを始める。 〒421-0411静岡県牧之原市坂口92 電話番号0548-29-0215
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