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津軽・黄金崎農業通信

前期売上4億5000万円にとどまるも、今期は5億円を目指して農場職員の意気さかん

ダイコン需要増大


 私の担当する漬物用ダイコンは植え付けが7月上旬から8月末まで、収穫は11月中旬までかかります。今年は、最大納付先のタクアン製造メーカーが前年の倍近くの量を希望しています。外国からの輸入攻勢が強まる中で、こうした注文の増加はうれしい限りです。そのメーカーに聞くと、国産志向の強まりとともに、製品には黄金崎農場産と書かれ、それが消費者に安心感を与えるためだとのことです。メーカーが国産にこだわってくれるのであれば、われわれはそれに応えなければなりません。

 こうした需要増も背景に、ダイコンは、農場だけでなく、ほかの農家にも委託生産してもらっています。遠く、秋田県や、下北半島などの農家と契約を結び、大型機械が必要な作業はわれわれがやり、ほかの細かい管理は農家にやってもらうというように、大型法人と個別農家とのドッキング方式による生産システムです。この方式によるものは今年30ha弱に達しています。

 こうした大規模農場と小規模農家との連携した生産方式は、21世紀農業のありかたのひとつであるという感を私はもっているのです。


人材新規参入


 今年、家事都合などで2人の若者がやめましたが、その一方で4人の男が新たに仲間入りしました。大戸秀吉(41)、古田博(38)、藤田和弘(24)、山崎哲也(27)です。吉田は農家出身ですが、ほかの3人はいずれも非農家出身です。時代が時代だけに、農家出だろうが、非農家だろうが関係なく、やりたい者が農業に就くべきだと私は考えています。吉田と山崎は職業安定所を通じて、藤田はわれわれの農場物語を読んで、やってきたのです。農業というものに魅力を感ずる者、われわれの大農場づくりに共鳴する若者、そういう人たちと仲間になって、これからの農業を切り開いていくことにしています。

 8月3日には、中国からの研修生がやってきました。湖北省出身の陳礼軍(31)という若者です。中国からの受け入れは今年で5年目となりますが、一生懸命勉強して、やや立ち遅れている中国農業に役立ててほしいと願っています。

 農場誕生から多くの人の支え、応援があったればこそ、今日の農場があると、私は思っています。それだけに、これからも多くの人だちとつながりを持ち続けていくことにしていて、こうした研修の引き受けも行なっているのです。

 21年前の農場開設以来、毎年欠かさずに行なってきた8月8日の農場祭は、20歳の若さで逝ってしまった竹内智則を弔うために、思い切って中止にしました。この祭りは200人以上が集まる農場最大の行事なのですが、農場を愛してくれた智則のことだけに、中止は当然の措置なのです。

 でも、父の農業にあこがれた智則への最高の供養は、われわれが描いている新たな農場を作り上げることだという気がします。この夢に向かって、星になった智則も加え、農場で働く人たちはこれからもがんばっていくことにしています。

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