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田牧一郎のカリフォルニア稲作便り

農業自由化時代に、私のカリフォルニア農業体験が日本のコメ作り、コメ産業に活かせないか。

5月に播いたカリフォルニアのコメは、ほぼ順調に生育しています。いつもの年だと4月の下旬から順番に種播きが進み、5月下旬にだいたい終了します。種を播いた順に生育が進んでいきます。通常の年は雨が多い11月~4月を過ぎれば乾いた季節になるのですが、今年はちょっと違いました。
 5月に播いたカリフォルニアのコメは、ほぼ順調に生育しています。いつもの年だと4月の下旬から順番に種播きが進み、5月下旬にだいたい終了します。種を播いた順に生育が進んでいきます。通常の年は雨が多い11月~4月を過ぎれば乾いた季節になるのですが、今年はちょっと違いました。今年は極播か那私格化した5月15日から雨が降りし出種播き作業を中断してしまいました。

 播種の準備ができてから降られた雨であれば、すぐ水を入れて種播きができるのですが、そこまでにいたらなかった田んぼは大変でした。トラクターが入れるまで上が乾くのを待たなければならなかったがらです。この雨は多いところで50mmほど降りました。雨がやんでも厚い雲に覆われ、時にはにわか雨も続き、いつもの5月の晴天に戻ったのが19日でした。土壌状態や降雨量によっても異なりますが、トラクターが田んぼに入って作業が再開できたのが早いところで21日でした。播種準備作業が一週間も遅れたことになります。

 5月12日の時点で約30%の作付けができていたと農務省の調査発表があったので、種播き作業がほぼ半分まで完了したところで一週間の中断期間ができてしまったことになります。この遅れは後々の生育状況にもよりますが、品質・収量に少なからず悪い方の影響を与えそうです。


●日本向けに良質短粒種が増反


 予想外の空模様によって、作付けされた品種の構成も変わってきました。作付け作業が遅れたということは、生育期間が短縮してしまったことになります。どうしても遅くまかざるを得ない時は、収量を確保するために精米歩留まりや品質の落ちる「極早生品種」を選ばざるを得なくなります。しかし種子の量にも限度があり、そう簡単には作付け品種の変更はできません。やむを得ず無理を承知で通常の品種の作付けをすることになり、稲作農家は大きな心配をしながら稲の生長を見守ることになります。

 米国農務省の作付け動向速報によると、今年の短粒種の作付けが平年に比べると3000エーカー増えているのですが、これはあきたこまちを中心とした日本の品種の増加によるものです。前に触れましたが、日本向けのコメ栽培が今年は増えるであろうと予測していたのが実際に数字で現れてきました。この数字は精米会社や商社などコメの日本回けあるいは日本以外のマーケットで短粒良質米を取り扱っているコメ業界人にとっては、非常に関心の高い数字です。そしてその作柄と品質はこれからの販売にとってとても重要な要素になるからです。つまり競争相手がなにを売ろうとしているのか、全体の作付け面積と生産量で具体的な販売のイメージをしていきます。

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