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エクセレント農協探訪記

北海道・摩周農協

 最近は、摩周湖を訪れる観光客を当て込んで農産物の加工にも力を入れている。町から摩周湖へ通じるロードサイドに特産品の直営店を設けた。地粉を100%使った蕎麦から、最近では徳永組合長が就任以来取り組んできたビーフジャーキーやひまわりバターの新顔が特産品のライン・アップに加わった。特産品の収益もわずかながら数字に出てきている。昨年度は1400万円の収益があったという。

 徳永組合長は農家の負債整理にも腕を振るった。弟子屈町農協との合併話か起き九時のことだ。お互いに負債整理に手をつけねければならない。農業委員会の会長の経験がある。これを活かしてウルトラCを使ったのだ。そのカラクリは摩周湖である。

 「負債農家は15戸いたが、土に生産力があって、きちんとした区画の良い畑は別として、1ha程度の半端な畑を対象に転用をかけたんです。ちょうどその頃、プリンスがホテルを建てて観光開発を進めていましたので、それに便乗したんですね。組合員は、農地を処分した金で民宿やらペンションを経営して、今はごく普通の生活を送っていますよ。そりゃ農地の何倍かで売れるんですから、借金の保証をしていた組合員も喜びましたね」

 いま、摩周農協と弟子屈町農協の間で合併話が進行している。開拓者の集まりの農協と、そうでない農協の合併は、当初、難しいように思えた。何よりも経営格差がありすぎたし、組合員の気質も違いすぎるからだ。経営面でも自主独立の気風が横溢している。それは人員面でも表れている。周辺の農協に比べ職員数がダントツに少ないのだ。

 それでも徳永組合長は、組合員を説得して合併にゴーサインを出したという。開拓者魂で合併を乗り切り。新しい時代の農協を作りたいと考えたからだ。

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