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江刺の稲

南米ウルグアイ、稲作でのMade by Japanese

  • 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
  • 第116回 2005年10月01日

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26頁のご案内の通り、本誌では11月28日から12月5日まで8日間、南米ウルグアイとカリフォルニアを巡るスタディー・ツアーを企画している。
 26頁のご案内の通り、本誌では11月28日から12月5日まで8日間、南米ウルグアイとカリフォルニアを巡るスタディー・ツアーを企画している。

 南米ウルグアイで乾田直播による日本米生産に取り組む日系農場と同国の稲作事情、さらにカリフォルニアの稲作・精米業および米国で拡大する和食店の米品質などを、欧米日本米市場で田牧米ブランドを確立した田牧一郎氏の案内で見て回ろうというものだ。

 我が国の農業の中でもっとも敗北主義に満ち溢れた分野が稲作である。しかし、アジア諸国の経済発展や欧米での和食市場の広がりなど、日本の稲作農業経営者に海外での活躍のチャンスが到来しつつあるとは思えないだろうか。稲作での次世代農業経営、海外での第二農場経営の可能性を、その供給市場の視察を含めて確認していただきたい。

 かねて筆者は“Made in JapanからMade by Japaneseへ”というテーマで、オーストラリアや中国あるいはミャンマーなどでの農場作りについて語ってきた。海外の恵まれた生産環境の中で日本人農業経営者と生産技術開発企業が生産を受け持ち、さらに日本の食サービス産業の人や企業と連携しつつ、日本人あるいは日本企業だから果たせる海外での役割を果たそうというものだ。

 なぜ日本農業や農業経営者が持つ多様な可能性と能力を認めようとしないのだろうか。日本の農業技術や農業者の能力、そして豊かな日本市場のプレーヤーとしての経験を海外に活かすチャンスがあることをどうして気付こうとしないのだ。果樹やその他の作物でも、海外から二流、三流品の侵入を恐れるばかりで、日本あるいは日本人の最高級の技術をもって海外の適地で生産をすれば、世界に供給が可能ではないか。

 それが行なわれないのは、あまりにも安楽な日本農業の経営環境が農業者にその必要性を考えさせなかったからではないのか。

 また、外食産業や小売業も海外市場に進出しだしたのはほんの最近のことに過ぎない。彼らにとってもこれまでの日本市場はあまりにも恵まれたものであり、リスクを背負ってまで海外にチャンレンジする必要がなかったからだ。

 なぜウルグアイでのコメ作りか?という疑問にも答えておく。

 まず、市場である。食文化において類似性を持ち、経済成長するアジア諸国に良質日本米の市場があることは言うまでもない。産地としても中国東北部やタイ、ベトナムあるいはミャンマーなども注目すべき地域である。しかし、諸外国でのコメ生産と日本米流通を見てきた田牧氏によれば、産地として見るとそれらの地域には障害もあるという。

 まず中国は、テーマが穀類生産の場合、その政情の変化で制約を受ける不安がある。タイ、ベトナムではすでに日本米生産が行なわれているものの、その緯度と気象の条件は良質米生産には不利である。さらに、カリフォルニアやオーストラリアにしても水問題や環境規制などが障害になる。

 これに対して、南米のブラジルとアルゼンチンに挟まれたウルグアイの緯度は南緯30度~35度で日本の真裏に位置する。夏(12~3月)の平均気温は23℃。しかも夏には雨が降らないが水は豊富である。そのため南米の代表的コメ産地でもある。良質日本品種を作るには最適の環境と言えるのだ。

 皆様のご参加をお待ちする。

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