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【土門「辛」聞】
作況が引導を渡すか?コシBL商戦
- 土門剛
- 第16回 2005年09月01日
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大豊作の“えらい”こと
出穂を始めた新潟平野を8月5日と6日にひと回りしてきた。
今年は好天に恵まれ、予想通りスクスク育つ稲の姿を目の当たりにした。同行した山形県の稲作生産者のI氏は「こりゃ、豊作間違いなしですね。もし台風が来なければ(作況指数が)100以上になりますよ」と太鼓判を押していた。上越に集まってきた新潟県内の生産者も異口同音に台風が来ないという条件付きでいたようだ。
本誌が出るころには作柄予想はもっとクリアになっているだろう。九州や四国の産地は「近年にない大豊作が確定」(米穀業者)。お盆から出回る千葉、茨城、北陸3県も「豊作は当確」(同)という状況である。収穫が遅い東北地方でも豊作を伝えるメールが届いている。
あまりに好調な作柄に新潟県内の生産者は「下手をすると103までいくかもしれんな」と不気味な予想をしている。「下手をすると」という表現をわざわざ使ったのは、誰もが恐れる価格の暴落を心配しているからだ。今年は作況100でも前年より約5万t生産量が増えるわけだから、作況指数が102とか103になれば“えらい”事態だ。
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土門剛 ドモンタケシ
1947年大阪市生まれ。早稲田大学大学院法学研究科中退。農業や農協問題について規制緩和と国際化の視点からの論文を多数執筆している。主な著書に、『農協が倒産する日』(東洋経済新報社)、『農協大破産』(東洋経済新報社)、『よい農協―“自由化後”に生き残る戦略』(日本経済新聞社)、『コメと農協―「農業ビッグバン」が始まった』(日本経済新聞社)、『コメ開放決断の日―徹底検証 食管・農協・新政策』(日本経済新聞社)、『穀物メジャー』(共著/家の光協会)、『東京をどうする、日本をどうする』(通産省八幡和男氏と共著/講談社)、『新食糧法で日本のお米はこう変わる』(東洋経済新報社)などがある。大阪府米穀小売商業組合、「明日の米穀店を考える研究会」各委員を歴任。会員制のFAX情報誌も発行している。
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