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特集

セミクローラトラクタ人気の秘密


 最初の試作機ができたは95年。当時、北海道の畑作地帯を中心に普及していたMDシリーズの87馬力をベースマシンに、駆動スプロケットを後輪車軸に直接装着するタイプで、三角形のおむすび状のゴムクローラだった。しかし、車軸に直接固定されるタイプではクローラが圃場の凸凹に追従できず、土の中にクローラの前部がめり込んでしまった。

 その失敗からおむすび形のクローラが圃場面の凸凹に合わせて揺動するタイプが開発された。これは揺動の中心点を車軸の下方に移す構造でもあった。これが、現在のパワクロの原型となるものである。しかし、クローラが揺動するだけでは十分ではなく、その後も転輪の位置やクローラの全体形状などの細かな改良が重ねられた。

 同社では、このタイプを当時の北海道の水田で標準サイズだった50、60馬力にサイズダウンして同地への普及を目指した。一方、もうひとつの戦略地域(湿田地域)としていた新潟県にも同馬力を導入した。しかし、98年になると同地域では、より一般的なクラスの27~30馬力で普及に火が付く。その後、北海道では50~60馬力が、そして新潟と同じ潟地帯の北陸では27~30馬力のパワクロを使用する生産者が急速に増えていった。

 ここまでが、パワクロ開発の前史である。以後の改良とユーザーが指摘するセミクローラの問題点については次で紹介する。


セミクローラで実現する作業と問題点


 さっそく、ユーザーおよび作業機メーカー関係者の声を紹介する。


■評価が高い水田作業

 新潟県新潟市の坪谷利之氏((農)木津みずほ生産組合)は6年前からのパワクロユーザーである。同地域は潟地帯で受託圃場には条件の悪い田が多いという。同氏は「以前は、春の耕起・代かき作業時に数回はトラクタが田にはまっていた。しかし、今はその心配なく作業ができる。しかも、パワクロで数年作業していると、だんだん圃場が改善されていくように感じる。さらに、あぜ塗り作業での効果は抜群だ。直進性が良く、圃場を傷めない。雪解け後のホイールでは入れないような時期でも作業ができる」と評価している。

 また、水稲を中心に12haの水田を経営する青森県つがる市の葛西拓美氏は、今春、井関農機のセミクローラ「TJ55C」(55馬力)を導入した。同氏も「以前、トラクタを埋めて重機で引き上げたことがある。そんな圃場でも、今年は作業ができた。耕起作業時にはホイールに比べて多少の突き上げを感じたが、シートが良くなっており不快感はない。代かき時にも水田車輪が不要となり、圃場への出入りを含めてスムーズに作業できる」と話す。

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