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特集

セミクローラトラクタ人気の秘密


 千葉県東金市の鈴木正昭氏(ライスファームもとごや)は、同じく井関農機「TR633」セミクローラ(63馬力・3t)を使用している。選択の理由を次のように話す。

 「30aから50aの圃場条件では四隅の処理や旋回性のことを考えるとこの全長3.6m、幅1.9mというサイズがちょうどよいと思った。また、けん引力の点からもこのクラスであれば、直装型レーザーレベラ(3m)、陸曳きプラウ(14インチ4連)、ウイングハロー(4m)といった作業機を悪条件下でも使用でき、満足している」

 さらに「セミクローラで代かきをすると、デコボコが少なくなり田植え作業が快適になり作業精度も上がる。非常に有効だと思うが、クローラ内側に大量の泥が付着して、洗浄するのにかなり手間がかかるのが問題」とは、青森県八戸市の稲作専業である鈴木恒夫氏。

 このように、水田ユーザーから寄せられたセミクローラの圃場内作業への評価は高い。ロータリ、代かきハロー、あぜ塗り機などのメーカーである松山(株)の青柳正専務は、こうしたユーザーの評価を次のように説明する。

 「揺動式のセミクローラの利点はは、路面状態にクローラが追従することだけではない。通常のホイールではロータリの駆動力でトラクタ前部が浮いてしまうことがあるが、セミクローラの場合には機体後部に荷重がかかっても、地面に追従するおむすび形のクローラが面で荷重を受け止めてくれるためそれがない。むしろフルクローラでは、ウエイトをたくさん付けていないと、クローラの後部を支点に車体前部が浮きやすい。あぜ塗り作業の場合、セミクローラなら前輪がホイールであるため位置合わせが容易にでき、なによりもあぜ方向からの反力をクローラが受け止めてくれるので、その直進性能が問われるあぜ塗り作業にはピッタリのトラクタだ」

 作業機の性能を生かしやすい、メーカーとしては望ましいトラクタであるということだ。

 一方、畑での使用例としては、千葉県柏市の染谷茂氏(柏染谷農場)は125馬力のパワクロを3年前から導入している。これまで一番多く使った作業は、2.3mのフレイルモア。同氏は、利根川河川敷の30年間耕作放棄されていた農地108haの管理を任されたことから、そこに生い茂ったヨシの処理をこのトラクタに任せた。なお、同氏はジョンディアの225馬力のほか、数台の外車を使用している。

 同氏は「モアは2.3mの広幅だが、具合よく仕事をした。確かに、セミクローラということだけではなく機体の軽さゆえにぬかるんで、土壌が柔らかい場所にも入っていける。レーザーレベラを意識して購入したが、ディスクハロー、ロータリなどの作業もよくこなすし、スガノ農機の新商品『キャリア(簡易粗耕起+鎮圧ローラ)』にも使える。しかし、外車と比べると、機体がきゃしゃで、ミッションなどに弱さを感じ、その性質をよく理解した上で作業目的に応じ、使い分けをする必要がある」と話す。

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