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特集

セミクローラトラクタ人気の秘密



■走行速度と耐久性に不安?

 さらに染谷氏は「ジョンディア225馬力のクローラに作業させようと、耕作放棄地の開墾目的に借りていた20インチ4連のプラウをパワクロで引かせてみたのだが、やはり無理だった。むしろけん引力があるために引けてしまうことが問題。ホイールと違ってスリップしないのでトラクタに過剰な負荷をかけて壊してしまった。125馬力のパワクロでは4連なら16、あるいは18インチが適当というところだろう。道路走行の速度も速く、乗り心地も悪くはない。しかし、クローラの耐久性はもっと高めて欲しい。このパワクロは、専用化による使い分けを前提に畑農業経営者2005年9月号18作・酪農向けに開発したもので、水には入れては困ると言われていたのだが、代かきに使ったところ、クローラの転輪を交換しなければならなくなった。ゴムそのものの耐久性をもっと高める必要があると感じる。販売店の話では、今の製品はゴムの材質も変わって耐久性が出ているとの話しだが……」

 水田での利用効果を絶賛する人も、クローラの耐久性については、不安あるいは不満を持っている人が多く、高速タイプでない人は圃場間の移動の遅さも問題にする。

 前出の葛西氏も次のように話す。「自分のものは道路走行時に車速が遅くて困る。圃場が分散しているため、時間も、クローラの減りも、運搬車の購入もカネなりですから。クローラの寿命は上手に乗って1500~2000時間程度が目安だそうで、交換は片側で50万円以上かかります。今年250時間程度使う予定なので、6年程度で張り替えが必要。メーカーや販売店には適切なサポート体制が求められるでしょう」

 そのほか「現在のセミクローラは、ホイールの湿地性能を上げたついでにけん引力も上がったという感じ。けん引力を要する作業を中心にするとミッションの耐久性がなかったり、ロアリンクの揚力が低かったりする。基本設計はあくまでも現在の国産ホイールトラクターの延長のままだ」(鈴木正昭氏)と言うあたりがヘビーユーザーの不満のようだ。


■使い分けで価値が出る
 各社のセミクローラでプラウ、そのほかのけん引作業機を使っているスガノ農機(株)美浦営業所長の斉藤保氏は次のように話す。

 「ベースマシンとなっているホイールと比べれば、確かにセミクローラはけん引力があり、1クラス上のプラソイラDXやスタブルカルチが引ける。直装タイプのレーザーレベラは、フルクローラ用に開発したものだが、フルクローラと同様に作業できるし、前が車輪の分だけ操作性も良い。ランニングコストがかかるというが、作業終了時の洗浄整備やクローラのテンション調整をきちんとすれば、フルクローラに比べはるかに安く済むはず。ただし、購入を考える人に言いたいのは、大型の畑作用といっても、重作業を前提とし機体重量があり、だからけん引力も大きく機体強度がある外車とは、開発思想が異なるということ。そして、クローラ、軽量であるゆえの低踏圧の意義を理解し、倍速などで小旋回をして圃場を傷めるようなことをせず、ポンピングブレーキで、それもゆったりと転回するぐらいの土へのいたわりを持って欲しい。もうひとつ。柔らかい圃場に入れることで作業適期が広がること、作業可能な面積が増えること、土へのいたわりで良質な作物が増収可能なことを農業経営に生かして欲しい」

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