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特集

セミクローラトラクタ人気の秘密


 これから、さらに大規模経営化が進めば、トラクタはますます各作業ごとに専用機化していくはずだ。どのトラクタも万能ではないのだから、ホイールだけではなく、フルクローラだけでもない、それらを持つ人にとっての第2、第3の重要な地位をセミクローラは持つことになるだろう。そして、セミクローラだからこそ、その特性と価値を生かせる作業を任せることになるはずだ。


水田用セミクローラから次世代機種への展開


 以下、読者から寄せられた耐久性に関する問題を中心に、(株)クボタの石橋善光氏(トラクタ事業推進部担当課長)に聞いた。

 クボタの場合、42馬力以上を高速タイプとし、水田仕様の最高速は時速25km、畑仕様(105、125馬力)では時速33kmになっている。

 石橋氏の話を要約すると以下の通りである。

――14馬力から89馬力ぐらいまでを水田用と位置付けています。高速化の要望が強いのは、圃場が分散した大規模農家で、とりわけ畑作農家の要求の第一が高速化でした。
 クローラを水の中で使用すると、クローラのゴムに『水虫』と呼ばれる劣化症状が起こり、最悪はゴムが切れるという問題が生じます。これは、転輪とクローラの間を石が噛み、そこが水虫に罹ったように磨耗するためです。また、水田用クローラには芯金が入っていますが、この芯金は高速走行する際に、振動の原因となり耐久性に問題が生じました。

 そこで、水田用の高速タイプでは、軸を太くし、発熱に対応する材質にゴムを変更しました。さらに、田の中では浮力を持ち、道路走行時には振動が少なくなるように転輪の配置や角度を変更し、クローラのテンションにも工夫を加えています。

 しかし開発初期は、技術的にまだ判明していないことも多く、早期に問題となるパーツが磨耗してしまうということもありました。ユーザーや販売店からいただいたグリスアップのアイデアを参考にしたり、オイルシールの交換箇所を工夫するなどで対応しています。それでも、現在のところ水田用の芯金の付いた高速タイプ(42~89馬力)は25km前後に車速をとどめています。

 一方、水田には入らない畑作専用タイプ(105馬力以上)については、水虫の心配がないので芯金を抜き、代わりに1本のワイヤをらせん状に50回くらい巻くという方式を採っています。万が一、ワイヤーが切れても一部で済み、むしろ芯金タイプより耐久性は増していると認識しています。ですから、畑用で水田に入られてしまうのは困るのです。もちろん、今後タイヤメーカーとともに、さらに改良を進めていくつもりでいます。

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