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さて、寄生性、捕食性の天敵昆虫を利用した防除方法は、永続的利用法、環境改良法、大量放飼法の3つに大別できる。
まず、永続的利用法とは、土着の天敵がいない場合、外部より天敵を導入して定着させ、害虫を永続的に防除する方法である。
次に、環境改良法とは、天敵のすみやすい環境をつくり、土着している天敵を有効に利用する方法である。
最後に、大量放飼法とは、天敵を人為的に増殖し、害虫の発生時期に放飼することにより防除する方法である。生物農薬的利用法とも呼ばれ、現在製品化されている天敵利用の生物農薬はこの方法によるものが中心になっている。現在、農薬登録されているものとしてスパイデックス((株)トーメン)、チリカブリダニパック((株)トモノアグリカ)、エンストリップ((株)トーメン)、バイオセーフ((株)エスーディー・エスバイオテック)がある。
このほかに、病原微生物を天敵として利用する方法にも永続的な利用方法と農薬的な利用法があり、研究開発が進んでいる。
研修会において、市販されている天敵利用製剤を利用して防除をおこなった栽培と、従来の化学合成農薬を使用して防除を行なった栽培との比較試験の発表がいくつかあったが、ほぼ同等の効果が得られることが確認された。ただここで注意しなくてはならないのは、天敵防除区でも従来の農薬と併用して試験がおこなわれており、総合的な防除になっているということだ。つまり、天敵だけを使用した結果ではない。
また、天敵を利用した防除には従来の農薬と違う側面があり、そのことを理解しないで使用すると期待はずれに終わる可能性がある。天敵を利用した場合の注意点としては、
(1)効果が現れるまで時間がかかる。
(2)害虫が増えてしまった後に使用しても、効果が限られる。
(3)ごく限られた害虫にしか効果がない。
(4)害虫の発生をゼロにするわけではない。
(5)天敵が活発に活動できる時期が限られている。
などがあげられる。
天敵を利用した害虫の防除は育苗段階でおこない、定植時には持ち込まないのはもちろん粒剤等の農薬を使用して害虫の発生を抑制し、害虫の密度を低くしておいて、その後に天敵を予防的使用するというのが基本的な方法である。天敵も生物であり活動が活発でない時期があり、また適用外の害虫が発生した場合などには選択薬剤使用やその他の防除方法をおこなう必要がある。
天敵を利用した防除を安定しておこなうためには、害虫の種類、対象作物、作型、使用時期、回数、温度管理などを勘案して防除プログラムを作成する必要がある。基本的なプログラムはあるが、以上のような点に対応するためにはかなり細かく個々の圃場に合わせたプログラムが必要と言える。
まず、永続的利用法とは、土着の天敵がいない場合、外部より天敵を導入して定着させ、害虫を永続的に防除する方法である。
次に、環境改良法とは、天敵のすみやすい環境をつくり、土着している天敵を有効に利用する方法である。
最後に、大量放飼法とは、天敵を人為的に増殖し、害虫の発生時期に放飼することにより防除する方法である。生物農薬的利用法とも呼ばれ、現在製品化されている天敵利用の生物農薬はこの方法によるものが中心になっている。現在、農薬登録されているものとしてスパイデックス((株)トーメン)、チリカブリダニパック((株)トモノアグリカ)、エンストリップ((株)トーメン)、バイオセーフ((株)エスーディー・エスバイオテック)がある。
このほかに、病原微生物を天敵として利用する方法にも永続的な利用方法と農薬的な利用法があり、研究開発が進んでいる。
天敵製剤利用の注意点は?
研修会において、市販されている天敵利用製剤を利用して防除をおこなった栽培と、従来の化学合成農薬を使用して防除を行なった栽培との比較試験の発表がいくつかあったが、ほぼ同等の効果が得られることが確認された。ただここで注意しなくてはならないのは、天敵防除区でも従来の農薬と併用して試験がおこなわれており、総合的な防除になっているということだ。つまり、天敵だけを使用した結果ではない。
また、天敵を利用した防除には従来の農薬と違う側面があり、そのことを理解しないで使用すると期待はずれに終わる可能性がある。天敵を利用した場合の注意点としては、
(1)効果が現れるまで時間がかかる。
(2)害虫が増えてしまった後に使用しても、効果が限られる。
(3)ごく限られた害虫にしか効果がない。
(4)害虫の発生をゼロにするわけではない。
(5)天敵が活発に活動できる時期が限られている。
などがあげられる。
天敵を利用した害虫の防除は育苗段階でおこない、定植時には持ち込まないのはもちろん粒剤等の農薬を使用して害虫の発生を抑制し、害虫の密度を低くしておいて、その後に天敵を予防的使用するというのが基本的な方法である。天敵も生物であり活動が活発でない時期があり、また適用外の害虫が発生した場合などには選択薬剤使用やその他の防除方法をおこなう必要がある。
天敵を利用した防除を安定しておこなうためには、害虫の種類、対象作物、作型、使用時期、回数、温度管理などを勘案して防除プログラムを作成する必要がある。基本的なプログラムはあるが、以上のような点に対応するためにはかなり細かく個々の圃場に合わせたプログラムが必要と言える。
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