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同伴者たち

品質管理の基準を定義するのは国ではなく生産者の仕事である!/(株)伯養軒 専務取締役 伊藤俊二

日本フードサービス協会(ジェフ)設立時以来の会員社である(株)伯養軒。年商200億円のこの外食企業から、日本の農業経営者へ熱いメッセージが送り出されている。それは、外拿企業の未来を日本いメッセージが送り出されている。それは、外拿企業の未来を日本必要とされる地域農業との関運、生産と流通の再構築へ向けた家業、生業の農業から事業として産業としての農業を展望する提言だ。
ジェフの理事就任後農業と出会う


 私の農業との関わりというのは、外食業界の団体である日本フードサービス協会(ジェフ)との関わりからですね。

 ジェフが出来たのは私が四域ぐらいのときです。設立総会のメンバーで今も残っている人は少ないと思いますが、そのジェフから理事を仰せ付かったわけです。ジェフの中に『農業問題特別委員会』というのが出来ましてね、農業者へのメッセージなどを作りましたが、ここの農業問題委員長を2年やる中で、全国をまわる機会があったわけです。

 外食業側の人間を連れていって、生産者との交流をやったり、バイヤーの人達を連れていって各地をまわったりしていたわけです。

 当時、農政審議会が動き始めていまして、私は東北ブロックからの意見陳述人ということで選ばれてお話する機会がありましたし、東北農政局の審議会のメンバーになるとか、県の農業問題へのアドバイザーになるとか、そんなことでどんどんその分野が広がるようになってきたというのが、私と農業との結び付きの経緯です。

 現在どんなことをしているかといいますと、地元紙で河北新報というのがありますが、そこにEPFプロジェクトというのがあって、これは環境=エンバイロメント、人間=ピープル、食料=フードの頭文字で名づけているんですが、そこのメンバーとしていろいろなことをやってきたわけです。

 たとえば各地で定期的に市をやっている人達を仙台に集めて、「朝市、タ市ネットワーク」というのを毎月やろうということで始めまして、これは自分が作ったものを都市生活者に対面販売することで生産の自己責任というか、農業経営の初歩を知ってもらう、つまり入口はここからですということですね。もちろんこの試みには後で述べますが、地域流通を活性化するということもあります。

 あるいは環境保全米というのを作るために、県内10力所ほどの農家にお願いをして、事前に種籾の段階から農作業日誌をつけてもらい、どの位の作業量になったか、どの位の肥料をやったか検証しながら、環境を保全する米作りにどの位のいつの時代も農業は、農業者と、彼らとともに歩む同伴者たちとで成り立ってきた。村には鍛冶屋がいたし、カツギ屋のおばさんもいた。冷害をともに泣き、豊作をともに喜んだ。しかしいつの間にか、農業者にも農業にかかわる業者にも、そんな同伴者の観念は希薄になってしまった。現代の“同伴者”と呼び得る異業種の経営者や職業人の言葉を伝えたい手間やコストが掛かるものなのかを調べたり、あるいはそのことを消費者が受け入れられるのか、というようなことをやってきたわけです。

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