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同伴者たち

品質管理の基準を定義するのは国ではなく生産者の仕事である!/(株)伯養軒 専務取締役 伊藤俊二

自分で売ることがすべての始まりだ


 ここに「地域食材利用メニュー開発事例集」というのがありますが、実は農水省の予算でやっておりまして、これで3年目ですが、これは予算が打ち切られてしまったんですが、「地域食材利用優良モデル認定事業」という補助事業の中で作ってきたわけです。

 3年の間、事務局長になってやって来ましたが、これは外食業側から農業者へ期待する内容を出来るだけはっきり出していこうということです。

 たとえばこれは昨年やったものですが山形県と宮城県の県境にある高度750m位の高地で、2人の生産者がキャベツと白菜を作っているんです。

 自分たちで直接山形市場に出荷しているんですが、品質がいいことから地元のスーパーが全量買い取っています。

 私たちはどういうことをするかといいますと、生産者の方と相談して協力してもらいそこの生産物を持ち帰って、メニューレシピ(献立)を作るわけです。そして実際にその品質の良さを食べて確認していくわけですね。ここのキャベツは長く煮ても煮崩れないからシチューには向いている、とかですね。

 そんなことで3年間やって参りまして今年も10月にやるんですが、なかなか準備するのが大変なんです。

 もともとバックアップしているのは農水省なんですが各県の農政局、農政部にいって、実はここにこういう生産者がいますがといっても、まったく知らないんるですね。結局、チャネルが違うんです。砧農政局や農政部は普及所や農協のチャネルしかないわけですから。そういう活力のある生産者の情報がまずほとんど無いんです。

 そんなわけで、昆さんと一緒にお話しをいただいた、真室川町で無農薬有機米を作っている高橋さんなんですが、この高橋さんと、となり町の金山町の生産者の方々にお願いしているんです(笑)。

 金山町の方々は朝市、夕市ネットワークも毎回参加して下さっている「金山夕市」という7人の生産者グループです。彼らは、それぞれ自分の庭に加工場を持っていまして、各自が仕出しや菓子製造業者として、生産物だけではなくそれを使った食品を製造して販売しているんです。地域の学校給食の行事食を作ったり、山形名物くじら餅を作ったり、指定業者としてちゃんとやっているわけです。

 これまでやる中でいろいろ考えてきたわけですが、結局のところ農業者にとって一番大切なことは何だろうか、スタートは何だろうと考えますと、「自分で売った」という経験が大切なんですね。

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