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土門「辛」聞

全農の度重なる不祥事に農水さじを投げるか


 全農全国本部とパール秋田は、5月5日、コメ横流しに関わったとされる全農秋田の本部長(62)ら計3人を背任容疑で告訴、秋田県警に告訴状を提出した。なぜ同地検に提出しなかったのか。全農は本当に全容を解明する意思があるのだろうか。

 島村宣伸農水相も「全農に言いたいのは(コメ横流しを)個人の犯罪としてではなく、組織全体の問題と受け止め、厳正に対処してもらいたいということ。(一斉点検の)結果によっては刑事告発を行う」と釘を刺さしている。


全農・農協間の亀裂


 農産物などの販売や肥料や農薬などの農業資材を扱う全農は、全国に878(5月1日現在)ある農協のヘッドクォーター的な存在と思われている一方で、一般商社と同じ取引業者の一つという側面もあるが、ここ数年、全農と農協の関係に微妙な変化が生じている。農協が、商社などと比べ価格やサービス面で劣る全農から農業資材を買わない、また農産物を売らないという「全農離れ」が進行している。

 それは取扱高の急減という結果で表れている。手元にある内部資料の「JAグループの経済事業の現況」や最新の決算資料から判断すると、93年度の取扱高は6兆4502億円。10年後の03年度は5兆9544億円。数字自体をみれば微減したようにしか見えないが、これには説明が必要だ。この10年間に36経済連が統合。統合した経済連の取扱高を入れれば、2割弱の下げになる。

 その経済連統合に、全農は組織存亡をかけて取り組んだが、早くも大失敗という評価が定着しつつある。取扱高も多く経営基盤も比較的安定している愛知、静岡、鹿児島が統合にメリットなしと判断。結局、統合に参加したのは経営基盤の弱い経済連が多く、これが全農の経営基盤を弱体化させる大きな原因になった。特にに33経済連が統合して初の決算となった02年度は、実質、赤字に近かった。03年度も苦しい決算の基調には変わりない。

 奇しくも6件の業務改善命令が出されたのは、ちょうどこの期間だ。

 その裏には、法令に違反していても収益を確保しなければ、やがて赤字決算に追い込まれて、下手をすれば「民事再生法の適用もあり得る」(農協関係者)という全農幹部の危機感が、不祥事連発の温床となったことは否めない。

 しかし、監督官庁をなめきった不祥事連発の背景には何があるのか。まず思い浮かんだのは、同じく不祥事の果てに経営破綻した雪印を、農水省が全農に救済統合させたことである。

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